2008年度上半期の企業年金運用はマイナス4.66%に悪化

 当ブログでは定期的に企業年金の運用に関する情報を掲載していますが、前回、7月31日のブログ記事「2008年4~6月の企業年金運用はプラス2.68%に反転」では、格付投資情報センターが発表した2008年度第1四半期(2008年4~6月)の企業年金の収益率の平均が国内株式の好調な運用に引っ張られ、昨年度の第1四半期以来のプラス(プラス2.68%)になったという情報を掲載しました。


 このように2008年度第1四半期の企業年金の運用は久し振りに好調であった訳ですが、その後、リーマンブラザーズの破綻を契機とした世界的な金融危機により運用環境は急激に悪化し、2008年度第2四半期(2008年7~9月)の収益率の平均はマイナス7.00%と落ち込みました。これにより上半期(2008年4~9月)の平均値もマイナス4.66%と、マイナスに転落しています。当四半期においては国内株式がマイナス16.94%、外国株式がマイナス14.74%と大きく下落しましたが、10月以降も更に株式相場は下落しており、今後の運用に不安が残ります。今年度末はまた企業年金の積立不足が大きな経営課題として話題に上ることになるでしょう。



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2008年8月26日「中退共 平成19年度決算発表 運用利回りは△2.98%で繰越欠損金は1,564億円まで急増」
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2008年7月31日「2008年4~6月の企業年金運用はプラス2.68%に反転」
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2008年7月19日「確定拠出年金の加入者 遂に中退共を逆転」
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2008年7月2日「平成19年度に適年制度を解約した企業の38.5%が中退共を選択」
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参考リンク
格付投資情報センター「2008年度上半期はマイナス4.66%に悪化、第2四半期マイナス7%、米金融危機で株大幅下落」
http://www.r-i.co.jp/jpn/news_topics/detail_pension/2008/jn0810.pdf


(大津章敬)


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