平成19年度のサービス残業是正支払額は1,728社で272億円

平成19年度のサービス残業是正支払額は1,728社で272億円 先日、厚生労働省より「監督指導による賃金不払残業の是正結果」という資料が公表されました。これによれば、平成19年4月から平成20年3月までの間に、定期監督および申告に基づく監督等を行い、その是正を指導した結果、不払いになっていた割増賃金の支払が行われたもの(その支払額が1企業当たり合計100万円以上となったものに限る)の状況は以下のようになっています(画像はクリックして拡大)。
是正企業数 1,728企業
対象労働者数 179,543人
支払われた割増賃金の合計額 272億4,261万円(企業平均1,577万円、労働者平均15万円)


 是正企業数および是正金額は集計を開始した平成13年度以降最多となっており、未だに不払い残業が横行していることが分かります。厚生労働省では、今後とも、重点的な監督指導の実施や11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施が決まっており、これらを通じ、「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」の周知等を行い、賃金不払残業の解消を図ることとしています。企業側としても1年に1度は時間管理が適切に行われているか、自主点検を行っておきたいところです。



関連blog記事
2007年12月7日「対応が遅れる労働時間の適正な把握と懸念される調査の増加」
https://roumu.com
/archives/51186435.html

2007年10月31日「明日から賃金不払残業解消キャンペーンがスタート~今年は過重労働解消も目的に追加」
https://roumu.com
/archives/51143376.html

2007年10月7日「平成18年度のサービス残業是正支払額は1,679社で227億円」
https://roumu.com
/archives/51113831.html


参考リンク
厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果― 平成19年度は約272億円 ―」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/10/h1024-1.html
厚生労働省「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1005-1b.html
厚生労働省「賃金不払残業総合対策要綱」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1005-1a.html
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/dl/h1005-1a.pdf


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。