金融危機と円高により危機的な状況にある企業年金の運用

金融危機と円高により危機的な状況にある企業年金の運用 先日、企業年金連合会より2008年10月末現在の市場の収益率等に関するデータが発表されました。世界的な金融危機の中で、企業年金制度を取り巻く運用環境がどのようになっているかを知ることができる統計ですが、2008年4月から10月の10ヶ月間の期間収益率は以下のとおりとなりました(グラフはクリックして拡大)。なお、括弧内は2007年度の年間収益率。
国内株式   △27.87%(△28.05%)
海外株式   △33.46%(△16.80%)
国内債権     0.04%(  3.36%)
海外債権   △14.37%(  0.52%)
CB(転換社債) △11.70%(△11.06%)


 株価の下落に急激な円高が加わり、非常に厳しい状況となっています。厚生年金基金や確定給付企業年金、適格退職年金を有する企業にとっては大きな積立不足発生のリスクが懸念されます。



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参考リンク
企業年金連合会「市場の収益率等(2008年10月末現在)」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/market.html


(大津章敬


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