東京都中小企業のモデル退職金は大卒1,225万円・高卒1,130万円

東京都中小企業のモデル退職金は大卒1,225万円・高卒1,130万円 先日、東京都産業労働局「平成20年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果」が発表されました。この調査は、7月に東京都事業所・企業統計調査の事業所名簿から層別(産業・従業員数)抽出した3,500社を対象として実施されたもの。この中から今日は退職金に関する結果を見て行きたいと思います。



[モデル退職金]

 まずモデル退職金ですが、退職一時金のみを支給している企業のモデル退職金は会社都合による退職の場合、大学卒では、55歳の勤続33年で10,261千円、定年退職時で12,250千円、高校卒では55歳の勤続37年で9,848千円、定年退職時で11,301千円という結果になっています(図表はクリックして拡大)。モデル退職金調査というと、2,000万円~2,500万円という統計が多い中、この東京都中小企業産業労働局の調査は一定以上の信頼の置ける調査の中でもかなり中小企業の実態に近い水準ということができます。もっとも私の現場での感覚からすれば、この水準の退職金が支給されるのは従業員規模で300名程度の中堅クラスであり、従業員数100名程度ではなかなか1,000万円には届かないのが実態ではないかと考えています。


[適格退職年金の移換状況]
 一方、今回の調査では適格退職年金の廃止問題の対応状況に関する設問も設けられていますので、あわせて見ておきましょう。現在、適格退職年金制度の契約を有する企業においては、原則として平成24年3月31日までに制度を廃止するか、い確定給付企業年金制度や中退共など、他の制度に資産を移換することが求められています。今回の結果を見ると、現在の適格退職年金制度からの移行状況について「すでに移行済」が28.4%、「移行を決定している」が9.3%に止まっており、「移行を検討中」が34.9%にも上っています。廃止期限まで残り3年少しという時期を考えれば、かなり対応が遅れていると指摘することができるでしょう。なお、移行先としては、「中退共等の退職金共済制度」が33.0%、「確定拠出年金」が31.1%、「確定給付年金」が30.1%と、ほぼ同じような水準にあるのが興味深いところです。



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参考リンク
東京都産業労働局「平成20年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果について」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2008/12/60ici600.htm


(大津章敬)


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