平成20年に賃上げを実施した企業は前年比で8.8%の大幅減

平成20年に賃上げを実施した企業は前年比で8.8%の大幅減 週明けより仕事初めの企業も多いと思いますが、今月も後半になると今春闘の雰囲気が見えてくる時期になります。今年は賃上げと雇用を如何に両立するかという非常に難しい課題が労使を共に悩ませることになると予想されますが、昨年末に厚生労働省より「平成20年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概況」という資料が公表されましたので、本日はこのポイントについて取り上げたいと思います。


 平成20年中に賃上げを行った企業は74.0%(前年82.8%)、引き下げをおこなった企業は3.1%(同1.6%)、また賃金の改定を実施しない企業は17.6%(同13.3%)となっており、前年と比較すると賃上げを行った企業の割合が8.8ポイントの大幅減となっています。別の調査項目を見ると、賃金の改定の決定に当たりもっとも重視した要素をみると、66.2%の企業が「企業業績」を挙げており、かつ賃金の改定の決定に当たり「企業業績」を重視した企業の中で、自社の業績評価を「悪い」とした企業に限定すると賃上げ実施率は66.7%まで低下、賃下げの実施率は8.4%、賃金改定を実施しない企業の率が24.9%となっており、やはり企業業績の低迷が今回の賃上げ率低下の主要因になっていることが分かります。このように考えると昨年以上に企業業績の悪化が進んでいる今春の状況は更に厳しいものになることが予想されます。


 さて次に平成20年中における1人当たり平均賃金の改定額は4,417円(前年4,378円)、改定率の平均は 1.7%(同1.7%)となり、額では39円の微増となっています。なお、この結果は賃上げ・賃下げの双方を平均したものであるため、それぞれを分けて見てみると、賃上げ企業の引上げ額は 5,262円(同 5,054円)、賃下げ企業の引下げ額は 3,498円(同 3,655円)となっています。グラフは昭和44年からの1人当たり平均賃金の改定額の推移(昭和54年までは単純平均、昭和55年以降は加重平均:グラフはクリックして拡大)ですが、バブル崩壊後は過去と比較すると非常に低い水準で変動も少ない状況が続いていることがよく分かります。



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参考リンク
厚生労働省「平成20年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/08/index.html


(大津章敬)


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