改正雇用保険法に関する労政審議会報告書が公表されました
2009年12月25日のブログ記事「保険料率変更・被保険者範囲拡大などが検討されている雇用保険法改正」などでも取り上げている雇用保険法の改正ですが、28日に労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会の報告書がとりまとめられ、労働政策審議会職業安定分科会の了承が得られました。今後、この報告書に基づき答申等が出され、改正法案が作成されることとなります。
内容はこれまでのブログ記事で取り上げているとおりではありますが、ここでその概要をまとめておきます。なお、実際の報告書については以下よりダウンロードすることができます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003hce.html
雇用保険の適用範囲の拡大
(1)非正規労働者に対する適用範囲の拡大
「6か月以上雇用見込み」(業務取扱要領に規定)→「31日以上雇用見込み」(雇用保険法に規定)
(2)雇用保険に未加入とされた者に対する遡及適用期間の改善
事業主が被保険者資格取得の届出を行わなかったため未加入となっていた者のうち、事業主から雇用保険料を控除されていたことが給与明細等により明確に確認された者については、2年(現行)を超えて遡及適用この場合において、事業所全体として保険関係成立届を提出しておらず、保険料を納付していないケースについては、保険料の徴収時効である2年経過後でも納付できる仕組みとする。
雇用保険の財政基盤の強化
(1)国庫負担
・当面の失業等給付の国庫負担として、21年度補正予算で一般財源を投入
・23年度以降について、安定財源を確保した上で、国庫負担を本則(25%)に戻す旨を法律に規定(現行13.75%)
(2)雇用保険二事業の財源の確保
・雇用保険二事業の財源不足を補うため、緊急的かつ例外的な暫定措置として、失業等給付の積立金から借入れ
(3)雇用保険二事業の保険料率に係る弾力条項の発動の停止
・22年度の保険料率について、弾力条項の発動を停止し、原則どおり(3.5/1000 )とする。
(4)失業等給付に係る保険料率(労使折半)の引下げ
・原則16/1000のところ12/1000に引下げ
[参考]21年度の保険料率は、前回法改正により1年限りの特例措置として8/1000
関連blog記事
2009年12月25日「保険料率変更・被保険者範囲拡大などが検討されている雇用保険法改正」
https://roumu.com
/archives/51671556.html
2009年12月8日「[速報]新緊急経済対策における雇用対策の概要」
https://roumu.com
/archives/51664028.html
参考リンク
厚生労働省「労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告書について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003hce.html
(大津章敬)
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