65歳以上まで働くことのできる企業割合と定年到達者の動向

65歳以上まで働くことのできる企業割合と定年到達者の動向 来春、改正高年齢者雇用安定法が施行されることに伴い、各企業では65歳までの雇用に関し、継続雇用制度の見直しを開始し始めているかと思います。このような中、先日、厚生労働省から「平成24年「高年齢者の雇用状況」集計結果」(以下、「結果」という)が公表されました。この調査は、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況を調査する「高年齢者の雇用状況」の集計結果であり、雇用状況を報告した従業員31人以上の企業約14万社の状況がまとめられています。今日はその概要について取り上げましょう。

 これによると、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は48.8%となっています。特に中小企業では取り組みが進んでおり、今回の改正高年齢者雇用安定法の対応前に既に半数以上の企業が対応できていることになります。更には70歳以上まで働ける企業についても中小企業では20%近くあり、人出不足や技能の継承等により、大企業よりも雇用が進んでいる状況が見られます。

希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合:48.8%(68,547社)
【内訳】
 (1)中小企業:51.7%(64,987社)
 (2)大企業:24.3%(3,560社)

70歳以上まで働ける企業の割合:18.3%
【内訳】
 (1)中小企業:19.1%(24,052社)
 (2)大企業:11.1%(1,623社)

※中小企業:従業員31人~300人規模 大企業:301人以上規模

 一方で過去1年間の定年到達者の動向としては、以下の通りであり、継続雇用を希望した場合には、多くの人がその希望に従い、働き続けている一方で、継続雇用を希望しない人も25%近くにも上っています。一方では、継続雇用を希望したが基準に該当しないこと等により離職した人は1.6%に止まっており、今回の法改正の影響は限定的であると見ることもできます。

定年到達者の動向
 (1)継続雇用を希望しなかった人:106,470人(24.8%)
 (2)定年後に継続雇用された人:316,714人(73.6%)
 (3)継続雇用を希望したが基準に該当しないこと等により離職した人:6,852人(1.6%)

 いよいよ来月には継続雇用しない労働者の範囲等に関する指針が発表されることが予想されますので、結果も参考にしながら自社にあった見直しを検討していくことが必要になります。


関連blog記事
2012年10月9日「改正高年齢者法の継続雇用しない労働者の範囲等に関する指針案概要が発表に」
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2012年9月29日「改正高年齢者雇用安定法のリーフレット ダウンロード開始」
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2012年9月6日「改正高年齢者雇用安定法が公布」
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2012年8月30日「改正高年齢者雇用安定法成立 2013年4月1日に施行」
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参考リンク
厚生労働省「平成24年「高年齢者の雇用状況」集計結果」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002m9lq.html

(宮武貴美)

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