18厚生年金基金が新たに指定され、指定基金は97基金に

18厚生年金基金が新たに指定され、指定基金は97基金に 2012年10月2日のブログ記事「厚労省 厚生年金基金制度廃止の方向性を確認」でも取り上げたとおり、現在、厚生労働省では厚生年金基金制度の廃止も含めた抜本見直しに着手しています。その背景には基金の財政が悪化し、それに歯止めがかからない状況がありますが、積立水準が著しく低い基金を厚生労働大臣が指定し、5年間の財政健全化計画を作成させて、計画に従った事業運営を指導するという指定基金に新たに18の基金が指定されました。

 厚生年金基金が次のいずれかに該当した場合には、指定基金として指定がなされます。
3事業年度の決算において、連続して、積立金総額が最低責任準備金(当該決算時点で解散する場合に最低限保有しておき、返さなければならない額)の9割を下回った基金。
直近に終了した事業年度の決算において、積立金総額が、最低責任準備金の8割を下回った基金。

 今回、上記要件を充足し、平成24年11月30日付(平成24年度)で新たに以下の18基金が指定基金として指定されています。
茨城県
・茨城県建設業厚生年金基金
栃木県
・北関東自動車整備厚生年金基金
・栃木県建設業厚生年金基金
・栃木県石油業厚生年金基金
東京都
・全日本シティホテル厚生年金基金
・東京都石油業厚生年金基金
・日本リネンサプライ業・介護事業厚生年金基金
神奈川県
・神奈川県印刷工業厚生年金基金
富山県
・富山県中小企業団地厚生年金基金
長野県
・甲信越印刷工業厚生年金基金
・長野県卸商業団地厚生年金基金
・北信越管工事業厚生年金基金
岐阜県
・岐阜県石油業厚生年金基金
三重県
・三重県石油業厚生年金基金
京都府
・京都府建設業厚生年金基金
福岡県
・九州石油業厚生年金基金
・全九州電気工事業厚生年金基金
・福岡県・佐賀県トラック厚生年金基金

 平成24年12月1日現在、厚生年金基金総数は571基金ありますが、今回の新規指定により指定基金総数は97基金となりました。基金の財政問題は加入企業の財務にも深刻な影響を与えます。運用環境の改善と共に、制度見直しの方向性が早期に示されることが期待されます。


関連blog記事
2012年10月2日「厚労省 厚生年金基金制度廃止の方向性を確認」
https://roumu.com
/archives/51955433.html

2012年7月3日「解散要件の緩和を含む厚生年金基金代行割れ問題に対する厚労省報告書」
https://roumu.com
/archives/51939768.html

参考リンク
厚生労働省「指定基金に18厚生年金基金を指定」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002qnpy.html

(大津章敬)

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