従業員の25.3%がパワハラを受けたことがあると回答
先日、厚生労働省から「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書が公表されました。この調査は、厚生労働省からの委託事業として行われたものであり、国として初となる職場のパワーハラスメントに関する実態調査です。回答は、企業調査は計4,580社から、従業員調査は計9,000名から寄せられており、これがまとめられています。
この調査では、かなり多くの項目について質問がなされており、その結果の中でももっとも興味深いといえるパワーハラスメントの発生状況を確認すると、以下のように従業員の4分の1がパワーハラスメントを受けたことがあるという認識を示しています。
■企業調査
・過去3年間にパワーハラスメントに関する相談を1件以上受けたことがある企業は回答企業全体の45.2%
・実際にパワーハラスメントに該当する事案のあった企業は回答企業全体の32.0%
■従業員調査
過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した者は回答者全体の25.3%
なお、職場のパワーハラスメントの定義としては、「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に」行われるものとなっており、パワーハラスメントが上司から部下に行われるものに限らないとされていますが、今回の調査では、企業・従業員いずれの調査においても「上司から部下へ」対して行われたという回答が約77%となり、やはり上司と部下という関係性においてパワーハラスメントが発生しやすいことがよくわかります。
パワーハラスメントという言葉が浸透するに従い、加害者・被害者双方の意識が高まるため、問題が顕在化してくることが想像されます。曖昧にはなりやすいですが、具体的にどのような行為がパワーハラスメントに当たるのかは、企業内で教育していくことが求められているでしょう。
関連blog記事
2012年9月19日「過去最高の利用者数となった勤労者心の電話相談」
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2012年6月19日「企業内研修のテキストに最適なパワハラのリーフレットを厚労省が公開」
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参考リンク
厚生労働省「「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書がまとまりました。」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002qx6t.html
(宮武貴美)
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