派遣労働者として働き続けたい人と正社員として働きたい人の割合はほぼ同割合に
先日、厚生労働省から「平成24年「派遣労働者実態調査」の結果」が発表されました。この調査は、労働者派遣の実態等について、事業所側、労働者側の双方から把握し、労働者派遣法改正前後及びリーマンショック以降の実態の変化の把握も可能とすることで、労働者派遣制度に関する諸問題に的確に対応した施策の立案等に資することを目的として実施されたものです。調査結果は目的にある通り「事業所調査」と「派遣労働者調査」に分けられてまとめられていますが、今日は「派遣労働者調査」の一部について取りあげることにしましょう。
「派遣労働者調査」の中でもっとも注目される項目として「今後の働き方の希望」があります。一般的に労働者派遣は非正規雇用であるために、直接雇用されることを希望する労働者が多くいると考えられているようですが、調査結果によると、「派遣労働者として働きたい」が43.1%、「派遣社員ではなく正社員として働きたい」が43.2%とほぼ同じ割合の結果となりました。ただし、「派遣労働者として働きたい」労働者のうち、「常用雇用型の派遣労働者として働きたい」は80.4%、「登録型の派遣労働者として働きたい」は19.6%となり、派遣されること自体には抵抗感や問題が少ないものの、安定した雇用を求めていることが分かります。
今後、労働者派遣法改正へ向けた議論が活発に行われるようになりますが、この結果を受けると、必ずしも派遣先での直接雇用を望んでいる派遣労働者ばかりではないということになります。今後の雇用のあり方に大きな影響を与える改正だけに、どのような方向性で進んでいくのか注目したいと思います。
関連blog記事
2013年8月28日「労働時間制度や雇用のあり方で大きな変化が感じられる来年度の労働政策重点項目」
https://roumu.com
/archives/52006820.html
2013年8月7日「労働者派遣 厚労省報告書素案で示された労働者個人単位で3年まで派遣可能とする制度改革の方向性」
https://roumu.com
/archives/52003982.html
参考リンク
厚生労働省「雇用の構造に関する実態調査(派遣労働者実態調査)」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/40-20.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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