前年比9.6%増の695,699人となった精神障害者保健福祉手帳保持者

695,699人となった精神障害者保健福祉手帳保持者 うつ病などのメンタルヘルス不調者の問題はいまや企業の人事労務管理において最大の課題の一つに挙げられます。現場感覚としても精神障害者の増加を実感することが増加していますが、先日公表された厚生労働省の「平成24年度衛生行政報告例の概況」ではそのデータが公表され、問題の深刻さを伝えています。

 この調査では精神障害者保健福祉手帳保持者の人数を集計していますが、この精神障害者保健福祉手帳とは、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもので、1級から3級まであります。
1級
 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(概ね障害年金1級に相当)
2級
 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金2級に相当)
3級
 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金3級に相当)

 今回発表されたのは平成24年度の手帳保持人数ですが、その合計は695,699人に上っており、静岡市の人口719,329人(2013年9月末現在)に匹敵する驚異的な人数となっています。
1級 101,758人
2級 430,516人
3級 163,425人
合計 695,699人

 なお、過去5年間の推移は以下のようになっており、平成20年度からの4年間で実に44.1%も増加しています。
平成20年度 482,905人
平成21年度 544,332人(前年度比 12.7%増)
平成22年度 594,504人(前年度比 9.2%増)
平成23年度 635,048人(前年度比 6.8%増)
平成24年度 695,699人(前年度比 9.6%増)

 平成30年4月1日には障害者法定雇用率の算定基礎に精神障害者が加えられますが、この増加傾向を見ると、法定雇用率も大幅の引き上げになることが予想されます。企業としてはいまのうちから積極的な障害者雇用を進めると共に、社員の健康管理を更に徹底することが求められています。


関連blog記事
2013年6月28日「重要性を増す障害者雇用の全体像が一冊で分かるリーフレット ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51998419.html

2013年6月20日「成立した精神障害者の雇用義務化と障害者に対する差別禁止」
https://roumu.com
/archives/51997336.html

参考リンク
厚生労働省「平成24年度衛生行政報告例の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/12/index.html
厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳」
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html

(大津章敬)
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/

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