労働基準法の代替休暇制度の導入をしている企業は全体の4分の1強

jikan 先日、厚生労働省から「平成25年就労条件総合調査結果の概況」が発表されました。この調査は、主要産業における企業の労働時間制度、定年制等及び賃金制度等について行われています。この中で今日は代替休暇制度のことについて取りあげましょう。

 代替休暇制度とは、平成22年4月に施行された改正労働基準法で導入されたものであり、50%以上に引き上げられた割増賃金率(1ヶ月60時間を超える時間外労働対するもの)について、引き上げ分を賃金の支払いに代えて有給の休暇を付与するというものです。

 調査によると、代替休暇制度がある企業割合は27.4%と4分の1強の企業と低調になっています。労働者規模からみると、30人から99人の規模の制度導入が33.1%、1,000人以上規模の制度導入が14.1%となっており、労働者数が増加するに従い制度導入は少なくなるという調査結果になっています。導入率としては意外に低調にとどまっているように思うのは運用や管理の難しさなどがあるからかもしれません。

 2013年11月12日のブログ記事「中小企業の猶予措置廃止が今後検討される月60時間超の法定割増賃金率引き上げ」で取り上げた通り、今後、割増率の引き上げに関する中小企業への猶予措置の廃止議論が進みます。廃止された際には、現在代替休暇自体の制度適用がない企業でも検討が必要になります。まだ先の対応にはなりますが、今のうちから、時間外労働の状況の分析を進めておきたいものです。


関連blog記事
2013年11月12日「中小企業の猶予措置廃止が今後検討される月60時間超の法定割増賃金率引き上げ」
https://roumu.com
/archives/52015954.html

 参考リンク
厚生労働省「平成25年就労条件総合調査結果の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/index.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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