急増するいじめ・嫌がらせの相談件数 昨年度は前年比14.6%増
当ブログでは毎年紹介している厚生労働省の「個別労働紛争解決制度施行状況」ですが、先日、平成25年度の最新データが公表されました。個別労働紛争解決制度は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援するもので、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。その件数ですが、以下のとおり、平成25年度は前年度に比べて、総合労働相談、助言・指導、あっせんのいずれも件数が減少しています。
総合労働相談件数 1,050,042件(前年度比1.6%減)
うち民事上の個別労働紛争相談件数 245,783件(同3.5%減)
助言・指導申出件数 10,024件(同3.3%減)
あっせん申請件数 5,712件(同5.5%減)
このうち、主要な民事上の個別労働紛争に係る相談件数の推移を見ると、以下のとおりとなっており、平成25年度についても「いじめ・嫌がらせ」が前年比14.6%増となり、最多となっています。
いじめ・嫌がらせ 59,197件(前年比14.6%増)
解雇 43,956件(▲14.7%減)
労働条件の引き下げ 30,067件(▲11.5減)
退職勧奨 25,041件(▲3.1減)
この推移をまとめたグラフを見るとよく分かりますが、解雇に関する相談件数が年々減少するのに反比例し、いじめ・嫌がらせは毎年二桁の伸びを見せており、いまや労働紛争の最大のテーマとなっています。職場でのハラスメントは企業風土の悪化の原因となり、更にはメンタルヘルス不調の問題にも繋がります。改めてハラスメントを防止する体制の構築や社員教育を進める必要性が高まっています。
関連blog記事
2013年6月4日「総合労働相談件数の相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が「解雇」を超え、最多に」
https://roumu.com
/archives/51994912.html
参考リンク
厚生労働省「平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000047179.html
(大津章敬)
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