非課税範囲拡大で求められる平成26年中の退職者への源泉徴収票再発行

源泉徴収票再発行 先週金曜日の官報で唐突に発表されたマイカー通勤者の通勤手当非課税範囲の拡大は、各所で混乱を引き起こしています。給与計算業務に大きな影響を与えるこの問題について、労務ドットコムでは、少しでも早く、かつ分かりやすい情報提供を行いたいと考えています。さて、昨日のブログ記事「今年の年末調整で調整が必要となるマイカー通勤者の通勤手当非課税範囲の拡大」では、この問題に関連し、平成26年の年末調整で求められる対応について取り上げました。本日はそれに引き続き、平成26年中に退職した者への対応について確認しておきましょう。本日の内容もなかなか大変です。

 給与所得の源泉徴収票(以下、「源泉徴収票」という)の「支払金額」欄には、非課税とされる部分の通勤手当の金額を除いた金額を記入することになっています。これは、年末調整を行う者・行わない者(年の中途で退職をした者)両方に関して行われるものです。そのため、改正前の非課税規定を適用している場合には、改正後の非課税規定を適用した支払金額(原則として平成26年4月1日以後に支払われるもの)を記載する必要があります。

 したがって、平成26年中に退職した者で、既に源泉徴収票を交付している場合には、「支払金額」欄を訂正すると共に、「摘要」欄に「再交付」と表示した源泉徴収票を作成し、再交付することになっています。再交付された人は、再就職先等で行われる年末調整により、最終的な調整が行われることになるほか、年末調整の際に精算する機会のない者については、確定申告により精算することになっています。

 給与計算担当者にとっては、改正の対象となる者に再交付される源泉徴収票がなかなか集まらないといった事態も予測されます。今年の年末調整は大きな改正点はないようですが、この改正を踏まえるとより早めの対応をお勧めします。


関連blog記事
2014年10月22日「今年の年末調整で調整が必要となるマイカー通勤者の通勤手当非課税範囲の拡大」
https://roumu.com
/archives/52053504.html

2014年10月18日「【速報】マイカー通勤者の通勤手当非課税範囲が10月20日より拡大に」
https://roumu.com
/archives/52053070.html

参考リンク
国税庁「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」
https://www.nta.go.jp/gensen/tsukin/index.htm
官報「所得税法施行令の一部を改正する政令」
https://kanpou.npb.go.jp/20141017/20141017h06396/20141017h063960007f.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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