2015年6月を目途に安全衛生優良企業を認定する新制度がスタート

2015年6月を目途に安全衛生優良企業を認定 厚生労働省は過重労働対策を進めるため、2015年1月に各都道府県労働局に「働き方改革推進本部」を設置しました。この件については、2014年12月24日のブログ記事「厚生労働省 年明けから進められる長時間労働対策を発表」でも取り上げたとおり、今年から月100時間超の残業が行われていると考えられる事業場等に集中的な監督指導(立入調査)を行うとしています。

 このような動きに関連して、先月、厚生労働省は「安全衛生に関する優良企業を評価・公表する仕組みに関する検討会の報告書」を公表しました。この検討会では、昨年12月の安全衛生分科会建議を踏まえ、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い労働安全衛生水準を維持・改善している企業が、より社会的に評価され、認知されるための仕組みについての検討を行っています。そして、この報告の中で、安全衛生優良企業の評価・公表する仕組みとして以下の内容が検討されています。
安全衛生優良企業の評価項目 
●必要項目1(過去3年の企業の状況)
 労働関係法令の重大な違反がない
 労働災害発生状況等が同業種平均に比べ低い
 法令違反を理由に国から企業名を公表されていない等
●必要項目2(現在の企業の取組)
 安全衛生に取り組む組織体制の整備
 企業のトップも含む全社的な取組
●評価項目(企業の積極的な取組の評価)
 安全衛生活動の推進のための取組
 健康保持増進対策
 メンタルヘルス対策
 過重労働防止対策
 受動喫煙防止対策
 安全対策(リスクアセスメント等)(製造業・建設業等に限る)
【優良企業認定基準】
・必要項目1、2をすべて満たす
・評価項目について、以下を満たすこと
 評価項目全てを満たした場合の合計点と比して
  (i)各取組・対策ごとには、いずれも6割以上※
  (ii)全体としては8割以上
  ※健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働防止対策、安全対策の各項目
認定の有効期間と取消
 有効期間は3年。認定基準を満たさなくなったら取消。
積極的な公表
 認定企業においては、それらを表すシンボルマークなどを商品や広告などに自由に使用できる。国は、認定企業のホームページ公表、求職者などへのアピール、調達における優良企業の優遇などの要請を行う。

 厚生労働省では、今回の報告書をふまえ、今後、具体的な評価制度の検討を行うとしており、2015年6月を目途に制度を開始する予定となっています。制度開始後は自社のアピールのためにもこの認定の取得を検討されては如何でしょうか?


関連blog記事
2014年12月24日「厚生労働省 年明けから進められる長時間労働対策を発表」
https://roumu.com
/archives/52059627.html

参考リンク
厚生労働省「安全衛生に関する優良企業を評価・公表する仕組みに関する検討会の報告書を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000069984.html

(福間みゆき)

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