クールビズ同様の力の入れ方が感じられる政府による「ゆう活」の推進

クールビズ同様の力の入れ方が感じられる政府による「ゆう活」の推進 クールビズのスタートから10年が経過した今年。政府は国民の働き方改革として「ゆう活」を強力に推進しようとしています。ゆう活とは、明るい時間が長い夏の間は、朝早くから働き始め、夕方には家族などと過ごせるように、夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動と位置づけられていますが、この取り組みについては、危機管理の担当や交代制勤務の職員などを除き、すべての国家公務員51万人の4割にあたる約22万人が参加することが決定しており、具体的には以下のような取り組みが進められます。
全省的な取り組み
ゆう活(夏の生活スタイル変革)と超過勤務縮減の徹底
・原則として、全職員を対象に夏期(7~8月)の2か月間、勤務時間を1時間前倒し(本省以外においても、行政サービスの低下を招かない範囲で実施)
・全庁省一斉定時退庁日(水曜日)には、20時までの庁舎消灯の励行
・原則16:15以降に会議時間を設定しないことや、調査・作業依頼等の48時間ルールの徹底
テレワークの推進強化
・現在原則課長補佐以下とされている対象者を、課室長以上にも拡大
休暇(年次休暇・夏期休暇)の一層の取得促進
・夏期の特別休暇(3日)と年次休暇(2日以上)をあわせて、連続1週間以上の休暇取得を促進等
厚生労働省独自の取り組み
働き方改革
(1)在庁時間の縮減
・原則20時までに退庁
・やむを得ない場合でも22時までには退庁
・必要な場合は、翌日朝勤務で対応等
(2)早出・遅出勤務
・国会対応等の他律的業務等について早出・遅出勤務を活用
・10時間の勤務間インターバルを設ける
(3)テレワーク
・育児・介護等、配慮を要する職員をはじめ希望する職員についてテレワークを活用
休み方改革
年間16日以上・少なくとも全職員の65%が、月1日以上の年次休暇を取得
(1)年次休暇
・全職員がマンスリー休暇を取得(毎月1日以上の年休取得)
(2)夏期休暇
・全職員が連続1週間以上の休暇を取得
(3)その他の休暇
・全職員がGW・年末年始に、1日以上の年次休暇を取得。(マンスリー休暇とは別に)

 このように中央省庁から率先して取り組むという政府の本気を感じる内容となっています。もしかするとこの「ゆう活」もクールビスのときと同じような盛り上がりを見せるかもしれません。この方向性は過重労働対策とゆとりのある生活の実現に向け、文字通り、いまの時代に求められていることであり、民間企業においても企業の競争力を落とさないような工夫を行った上で推進することが求められます。


関連blog記事
2015年5月31日「朝型勤務など国が求める夏の生活スタイル変革」
https://roumu.com
/archives/52074895.html

参考リンク
政府広報オンライン「ゆう活 – はじめよう!夕方を楽しく活かす働き方」
http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/u-katsu/
厚生労働省「厚生労働省におけるワークライフバランス推進強化月間の取組について」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2015/06/tp0626-1.html
厚生労働省「夏の生活スタイル変革について」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/summer/
厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」
http://work-holiday.mhlw.go.jp

(大津章敬)

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