企業の高い新卒に対する採用意欲と売り手市場となる大卒等新卒
リーマンショック後は、産休切り・育休切りという状況が発生し、内定を出していた大卒新卒者等に対する内定取消しの問題が大きな話題となりました。その状況も一段落し、現在ではかなりの売り手市場になっているという調査結果が日経連から公表されました。
公表された資料は、「2015 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」であり、1997年度より企業の大卒等新卒者の採用選考活動を総括することを目的として実施されているものです。日本経済団体連合会企業会員のうち1,331社をが対象とされ、59.4%の回答率となる790社の回答を集計しています。
まず、2016年4月入社対象の採用選考活動を実施した企業の割合(実施予定も含む)は96.7%となっており、昨年を上回る高水準が継続しています。このような選考活動の現状があってか、就職採用市場に関する評価では、「前年と比べて売り手市場であった」との回答が91.1%を占め、2015年入社と比べて24.4ポイントの大幅増となっています。団塊の世代の大量離職が始まりつつあり、人材確保が企業にとって重要なことになっていると想像されます。
そして、定着化してきているインターンシップについては、67.7%の企業が実施し、そのうち前年と比べて受け入れ人数を「大幅に増やした」または「やや増やした」と回答した企業は52.8%と過半数を占めています。インターンシップを実施することで、実際に仕事や職場の雰囲気を体感してもらうとともに、学生との接点を増やそうとしている企業が多くあることが想定されます。
2017年4月入社については、「採用選考に関する指針」が再度改定されたことで、広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、選考活動は卒業・修了年度の6月1日以降が解禁となります。引き続き企業にとって厳しい採用活動が続くと思いますので、今のうちに採用選考の準備を進めておきましょう。
関連blog記事
2015年12月9日「経団連 採用選考に関する指針を再度改定し、選考活動解禁を2ヶ月前倒し」
https://roumu.com
/archives/52091625.html
参考リンク
日経連「2015年度新卒採用に関するアンケート調査結果」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/012.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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