精神障害の労災補償状況 請求件数が1,515件と過去最高を更新

精神障害の労災補償状況 先週金曜日に平成27年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました。近年は多くの企業でメンタルヘルス不調の社員が発生しており、その対策を進められていますが、本日はこの中から注目を集める精神障害に関する事案の労災補償状況について取り上げましょう。

 そのポイントをまとめると以下のようになります。
請求件数は 1,515件で、前年度比59件の増となり、過去最多。
支給決定件数は 472件(うち未遂を含む自殺93件)で、前年度比25件の減。

 精神障害の出来事別に支給決定件数をみると「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が75件と最多となり、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が60件と続いています。平成26年度は「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が72件、「1か月に80時間以上の時間外労働を行った」が55件、そして「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が50件であったことから、支給決定の要因が実際の労働時間数だけでなく、仕事の変化やパワーハラスメントといった精神的に負担の大きいものがやはり主要因となっていることが読み取れます。

 そのため、企業としては業務負荷が重くのしかかっていないか定期的に面談を行うなどケアを行ったり、相談が気軽にできるよう社内・社外に相談窓口を設けるといった、早期発見・予防の取組みが求められています。


関連blog記事
2015年6月26日「精神障害の労災補償状況 請求件数・支給決定件数共に過去最高を更新」
https://roumu.com
/archives/52077251.html

参考リンク
厚生労働省「平成27年度「過労死等の労災補償状況」を公表」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000128216.html

(福間みゆき)

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