運送業の8割強が労働基準関係法令違反に 地方運輸機関から監督署への通報も増加

自動車運転 トラック、タクシーなどの自動車運転者は、依然として深刻な長時間労働の状況が続いており、脳・心臓疾患の労災認定件数がもっとも多い職種となっています。先日、この自動車運転者を使用する事業場に対する平成27年の監督指導、送検の状況が公表されたことから、この内容について取り上げましょう。

 今回、監督指導が行なわれた事業場は3,836事業場で、そのうち、8割強(3,258事業場)で労働基準関係法令違反がありました。この主な違反をみてみると、労働時間が2,242事業場(58.5%)と半分を占め、割増賃金が894事業場(23.3%)、休日が216事業場(5.6%)と続いています。

 次に、改善基準告示違反が認められた事業場は全体の6割強(2,429事業場)で、トラックの主な違反をみてみると、最大拘束時間が1,906事業場(49.7%)、総拘束時間が1,535事業場(40.0%)、休息時間が1,390事業場(36.2%)となっています。

 また、地方運輸機関との相互通報として、運送業に従事する自動車運転者の労働条件の改善を図るため、労働基準監督機関と地方運輸機関が、その臨検監督等の結果(改善基準告示違反等)を相互に通報していますが、通報制度の実施状況をみてみると以下のようになっています。
労働基準監督機関から通報した件数
平成25年 974件
平成26年 864件
平成27年 821件
労働基準監督機関が通報を受けた件数
平成25年 256件
平成26年 312件
平成27年 376件

 労働基準監督機関から通報した件数は年々減少していますが、地方運輸機関から労働基準監督機関が通報を受けた件数は年々増加しています。今年8月より国交省・厚労省の連携が強化され、自動車運転者の健康確保のため、労働安全衛生法に基づく健康診断を実施していないなどの違反が認められた事案についても相互に通報されることになっています。

 運送事業者としては、労働安全衛生法(健康診断の実施)も含めて法違反・告示違反となる取扱いをしていないか点検を行い、問題があれば早めに改善しておきましょう。


関連blog記事
2016年8月16日「2016年8月8日から強化された自動車運転事業者法違反に関する国交省・厚労省の連携」
https://roumu.com
/archives/52111232.html

参考リンク
厚生労働省「自動車運転者を使用する事業場に対する平成27年の監督指導、送検の状況を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000137013.html

(福間みゆき)

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