厚生年金保険の標準報酬月額下限引き下げに伴い設けられた特例月変

zu 今年の10月から、厚生年金保険の標準報酬月額の下限が引き下げられ、新たに88,000円の標準報酬月額が加わりました。これに伴い、平成28年9月の標準報酬月額が98,000円の人については、2016年9月13日のブログ記事「厚生年金の標準報酬月額の下限引下げと予定される経過措置」で取り上げたとおり、経過措置が設けられていますが、これ以外に、固定的賃金が変動した人で、標準報酬月額に2等級以上の差が生じないために月額変更に該当しない人について、特例的な月額変更が設けられました。

 対象になる被保険者は、平成28年9月の標準報酬月額が98,000円の人で次のからのいずれかに該当する人です。

平成28年9月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が83,000円未満であって、5月に固定的賃金の変動があり、5月から7月までの3ヶ月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が93,000円以上101,000円未満である人

平成28年9月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が83,000円未満であって、6月に固定的賃金の変動があり、6月から8月までの3ヶ月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が93,000円以上101,000円未満である人

平成28年9月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が83,000円未満であって、7月に固定的賃金の変動があり、7月から9月までの3ヶ月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が93,000円以上101,000円未満である人

平成28年9月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が93,000円以上101,000円未満であって、5月に固定的賃金の変動があり、5月から7月までの3ヶ月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が83,000円未満である人

平成28年9月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が93,000円以上101,000円未満であって、6月に固定的賃金の変動があり、6月から8月までの3ヶ月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が83,000円未満である人

 この月額変更は特例的な対応であるため、被保険者報酬月額変更届の提出を行うことにより、10月に月額変更が行われます。

 該当する人はさほど多くないと予想されますが、該当者がいないかを確実に確認しておきたいものです。


関連blog記事
2016年9月13日「厚生年金の標準報酬月額の下限引下げと予定される経過措置」
https://roumu.com
/archives/52113290.html

参考リンク
法令等データベース「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う標準報酬月額の改定に係る特例的な取扱いについて(平成28年9月30日年管管発0930第1号)」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T161024T0010.pdf

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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