2020年10月の導入に向けて進められる年末調整手続きのシステム化による簡便化

zu 2017年10月18日のブログ記事「大きく報道された「年末調整電子化」マイナポータルで変わる業務のあり方」などで取り上げたとおり、今後、年末調整における各種控除の証明のあり方が変わることが見込まれています。これに関することで先日、国税庁から「税務行政の将来像」が公開されました。
 この「税務行政の将来像」は、平成29年6月に初めて公表されたもので、公表から約1年が経過したことを踏まえ、これまでの間に具体的に実現された取組みが紹介され、また、これまで検討されているもののうち、施策のイメージが具体化したものが紹介されています。
 企業と従業員との間のやり取りとして関連のあるものには、「年末調整手続の簡便化」が挙げられますが、これについては平成32年(2020年)10月導入予定として、「従業員の皆様が、保険会社等から電子的に交付された控除証明書等を活用して簡便・正確に控除申告書を作成し、勤務先に提出できる仕組み(年末調整控除申告書作成システム)を提供。」となっています。
 より具体的に示されている取組例では、以下のとおりの記載内容です。


・ICTの活用による年末調整手続の簡便化のため、年末調整控除申告書作成システム(※)を提供します。【平成32(2020)年10月導入予定】
・国税庁ホームページからアプリケーションを無料ダウンロード。
 →控除証明書等のデータを取り込めば、所定の項目に自動転記(簡便・正確に申告書データを作成)。
 →内容確認後、そのまま勤務先にオンライン提出可能。
※システムの仕様公開を通じ、民間ベンダー等によるシステム開発も促進。


 また、「マイナポータル等を活用した利便性の向上」として、①申告時期の案内等、ニーズに沿ったタイムリーな情報配信、②各種控除証明書等、確定申告・年末調整に必要な情報を一元的に確認し活用する仕組みを検討、という内容も掲載されています。企業として、年末調整全体の流れが大きく変化するとともに、ICTが活用に苦手意識を持つ従業員への対応を考えていかなければならなくなるかもしれません


関連blog記事
2017年10月18日「大きく報道された「年末調整電子化」マイナポータルで変わる業務のあり方」
https://roumu.com
/archives/52138781.html

参考リンク
国税庁「税務行政の将来像~ スマート化を目指して ~」
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/syouraizou/index.htm
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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