労働トラブル件数の第1位は今年も「いじめ・嫌がらせ」 無期転換の影響で「雇止め」も前年比116%の大幅増

いじめ嫌がらせ 近年、職場における最大の労働トラブルはハラスメントという状況が続いていますが、その状況はさらに拡大していることが明らかになりました。厚生労働省は先日、「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。この調査は、都道府県労働局及び労働基準監督署に設置された総合労働相談コーナーに寄せられた民事上の個別労働紛争の相談件数(計305,021件)について取りまとめたもの。

 これによれば、民事上の個別労働紛争の相談件数は以下のようになっています。なお、()内は前年比。
いじめ・嫌がらせ 72,067件(102%)
その他 40,336件(99%)
その他の労働条件 39,201件(100%)
自己都合退職 38,954件(97%)
解雇 33,269件(91%)
労働条件の引下げ 25,841件(93%)
退職勧奨 20,736件(95%)
雇止め 14,442件(116%
出向・配置転換 9,075件(98%)
雇用管理等 6,436件(102%)
募集・採用 2,748件(87%)
採用内定取消 1,916件(98%)

 全体としては前年比98%と相談総数は減少する中、あいかわらず「いじめ・嫌がらせ」は前年比102%の72,067件でトップとなっています。グラフで見るともはや独走といった印象さえ受ける状態です。また今年度については無期転換ルールの影響と思われますが、「雇止め」が前年比116%の14,442件と急増しているのも特徴です。

 多くの職場でハラスメントの問題が大きくなっています。ここ数年で対策も進められているとは思いますが、引き続き、安心安全の職場作りを進めていきましょう。


関連blog記事
2017年6月19日「再び増加に転じた労働トラブル件数 ハラスメントと自己都合退職に関するトラブルが急増」
https://roumu.com
/archives/52131716.html

参考リンク
厚生労働省「「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000213219.html

(大津章敬)

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