労働条件の明示 来春より書面ではなく電子メール等での明示も可能に
労働基準法第15条第1項では、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定しており、労働契約の期間に関する事項等、13項目について明示が求められています。
そして、以下の5項目(の内、昇給に関する事項を除く。)については、労働者への書面の交付による明示が求められていますが、2019年4月に施行される改正労働基準法施行規則第5条第3項により、書面の交付による明示以外の方法が利用できるようになりました。
[書面の交付により明示が求められている項目]
労働契約の期間に関する事項
就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
具体的な変更点としては、労働者が希望した場合には、①ファクシミリの送信、②電子メール等の送信(労働者が電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)により明示することが可能、というものです。
入退社が多いような企業では、労働条件の書面による通知が徹底されないことから、トラブルを引き起こす事例も多くあるかと思います。労働者が希望したとき、および、労働者がな出力(印刷)ができるとき、というポイントはあるものの、トラブル防止のためにも明示の方法の選択肢として検討してもよいかも知れません。
関連blog記事
2018年9月20日「使用者の時季指定による年休 半日単位でも問題なし~働き方改革関連法の政省令等に関する通達が公開に~」
https://roumu.com
/archives/52158443.html
2018年9月8日「働き方改革関連法の政省令が公布されました」
https://roumu.com
/archives/52157723.html
参考リンク
法令等データベース「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による改正後の労働基準法の施行について(平成30年9月7日基発0907第1号)」
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180919K0010.pdf
厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyunhou_4.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。
最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu
当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。