2020年度導入を目指し検討が進む健康保険証機能のマイナンバーカードへの実装化
2018年10月23日のブログ記事「急速に進む社会保険手続きの簡素化 2019年度には入退社時の手続きが一元化に!」でご紹介したように、社会保険に関することは手続きの簡素化も含め、ここ数年でかなりの変化が見られることが予想されます。また、この簡素化にはマイナポータルやマイナンバーカードの利用も絡んでくると思われます。
その一つに以前から言われているマイナンバーカード対するに健康保険証機能の実装があり、これに関し、平成30年6月15日に閣議決定した「未来投資戦略2018」では、以下のように示しています。
【「未来投資戦略2018」より抜粋】
(3)新たに講ずべき具体的施策
ⅰ)個人にあった健康・医療・介護サービス提供の基盤となるデータ利活用の推進
①オンライン資格確認の仕組み
・医療保険の被保険者番号を個人単位化し、マイナンバー制度のインフラを活用して、転職・退職等により加入する保険者が変わっても個人単位で資格情報などのデータを一元管理することで、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「オンライン資格確認」の本格運用を平成32年度に開始する。
また、平成30年10月22日に開催された規制改革推進会議の行政手続部会では、健康保険の住所変更の要否に関連し、論点の回答として以下のとおり示しています。
【第2回行政手続部会 資料1-2より抜粋】
■論点
1.健康保険の住所変更について(厚生労働省)
(2)また、マイナンバーカードに健康保険証機能が実装されれば、住所変更届での手続は不要となるという理解でよいか。いつ頃には実現するのか。実現に当たって、厚生労働省で把握している課題としてはどのような点があるか。
■回答
①マイナンバーカードへの健康保険証機能の実装は、マイナンバーカードの電子証明書による本人確認を行い、加入者資格情報を取得することで、医療機関等における資格確認を可能とするものであり、住民票の住所情報等そのものを保険者が取得するものではない。
②したがって、マイナンバーカードに健康保険証機能が実装されることをもって住所変更届の手続きが不要になるというものではない。
③なお、「未来投資戦略2018」を踏まえ、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「オンライン資格確認」を2020年度頃を目処として開始するべく、現在、仕組みの導入に向けた検討を行っている。
行政の手続きでは、着実にマイナンバーおよびマイナンバーカードの利用に向けた検討が進められていることが分かります。マイナンバーカードの普及は現段階では低調のようですが、近い将来を見据えた行動が求められそうです。
関連blog記事
2018年10月23日「急速に進む社会保険手続きの簡素化 2019年度には入退社時の手続きが一元化に!」
https://roumu.com
/archives/52160278.html
参考リンク
首相官邸「未来投資戦略2018(全体版)」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/miraitousi2018_zentai.pdf
内閣府「第2回行政手続部会 議事次第」
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/bukai/20181022/agenda.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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