時間単位での取得導入が検討される介護休暇~規制改革推進第5次答申~
2019年6月11日のブログ記事「今後、整備が進められる勤務地限定正社員・職務限定正社員等のジョブ型正社員~規制改革推進第5次答申~」では、規制改革推進第5次答申について取り上げました。今回、2つ目の重要項目として、介護離職ゼロに向けた対策の強化のうち、介護休暇制度の更なる柔軟化を取り上げます。
政府は「介護離職ゼロ」に向けた取組を掲げ、介護サービスの拡充や仕事と介護の両立支援制度の整備を進めていますが、働きながら介護をする労働者は今後もさらに増え続けると見込まれるため、より一層の取組が必要となっています。特に近年顕著に増加している認知症介護の場合、認知症の症状である徘徊や暴行等のBPSDが要因となり、家族介護者が突発的な対応を余儀なくされることが多い状況があります。また、認知症は症状が徐々に進行する特徴があるため、変化に応じてケアプランの見直しを行う等、家族介護者が介護専門職と相談できる機会の確保が不可欠となっています。
こうした相談は短時間で済む場合が多いが、現行の介護休暇は取得単位が「半日」であるため、所要時間に応じた小刻みの取得ができないため、介護休暇の取得単位について、時間単位の取得が可能になるよう、必要な法令の見直しに向けた措置を講ずることを実施事項として掲げられました。
時間単位で取得できる休暇は、既に年次有給休暇において実施されていますが、管理や運用面において、整理しておくべきことがあり、普及率も高くないようです。介護休暇の時間単位での取得が導入されるとなると、勤怠管理において、細かなシミュレーションが必要になるかも知れません。
関連blog記事
2019年6月11日「今後、整備が進められる勤務地限定正社員・職務限定正社員等のジョブ型正社員~規制改革推進第5次答申~」
https://roumu.com
/archives/52172313.html
2019年6月8日「ジョブ型正社員や副業、オンライン申請等、今後の規制改革の方向性が示された答申が公開に!」
https://roumu.com
/archives/52172121.html
参考リンク
内閣府「公表資料」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/p_index.html
内閣府「規制改革推進に関する第5次答申~平成から令和へ~多様化が切り拓く未来~(令和元年6月6日)」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/toshin/190606/toshin.pdf
(宮武貴美)
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