労働トラブル件数の1位は今年も「いじめ・嫌がらせ」 過去10年で257%の大幅増

ハラスメント かつて労働トラブルと言えば、「解雇」がその中心という時代が続いていましたが、平成24年度に「いじめ・嫌がらせ」が首位に立ってからは、その一人旅が続いています。昨日、その最新データである平成30年度の調査結果が公表されました。以下ではその結果について見てみることにしましょう。なお、この調査は、都道府県労働局及び労働基準監督署に設置された総合労働相談コーナーに寄せられた民事上の個別労働紛争の相談件数(計323,481件)について取りまとめたもの。

 これによれば、民事上の個別労働紛争の相談件数は以下のようになっています。なお、()内は10年前の平成20年との比較。
いじめ・嫌がらせ 82,797件(257%)
その他の労働条件 45,960件(170%)
自己都合退職 41,258件(250%)
その他 40,171件(111%)
解雇 32,614件(49%)
労働条件の引下げ 27,082件(77%)
退職勧奨 21,125件(94%)
雇止め 12,307件(96%)
出向・配置転換 9,177件(99%)
雇用管理等 6,383件(156%)
募集・採用 2,737件(80%)
採用内定取消 1,870件(93%)

 左上のグラフを見ても分かりますが、「いじめ・嫌がらせ」の伸びが更に大きくなっています。こうした状況を受け、来春にもパワハラ防止措置の義務化などの対策が行われます。改めて安心して働くことができる環境の構築を進めていきましょう。


関連blog記事
2018年6月29日「労働トラブル件数の第1位は今年も「いじめ・嫌がらせ」 無期転換の影響で「雇止め」も前年比116%の大幅増」
https://roumu.com
/archives/52153296.html

参考リンク
厚生労働省「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000213219_00001.html

(大津章敬)

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