介護支援取組助成金の支給要件が変更になりました
先週、2016年6月24日から介護支援取組助成金の支給要件が変更になるという告知を厚生労働省のホームページで見かけてから、説明したお客様は取組みを進められているか気になっていた。支給要件が変更された後ではあるが、服部印刷で確認することとした。
大熊社労士:
こんにちは。今日も社会保険の話をと思っていたのですが、少し早めにお知らせしておいた方がよいと思う内容が出てきたので、それを先にお伝えしますね。
宮田部長:
早めに!?それはきちんと聞いておかないと。どのような内容ですか?
大熊社労士:
はい、5月の始めに、介護に関する助成金のお話をしたのを覚えていますか?
該当の記事はこちら
2016年5月9日「介護休業に関する取組みの実施で60万円の助成金が支給されます」
https://roumu.com/archives/65740871.html
宮田部長:
えぇ、もちろん!実はあれからすぐに福島さんがいろいろ段取りをしてくれたんです。5月中に申請をすることを目標に設定したのですが、無事に申請できましたよ。あ、もちろん、講師は私がやりましたので、私も頑張ったのですけどね(笑)。
大熊社労士:
それはよかった!ホッとしました。
福島さん:
ホッとしたのですか?そんなに宮田部長の講師が心配だったとは(笑)
宮田部長:
福島さん、それはどういうこと!(怒)
大熊社労士:
いえいえ、そういうことではなくて(笑)。実は、つい先日、この助成金の支給要件が変更になったのです。以前、この介護支援取組助成金は、従業員の仕事と介護の両立に関する「取組み」を行なった事業主に支給されるものだと説明したかと思います。現実に介護休業を取得した人が出た場合という要件に比べてとても取り組みやすいものになっていました。
宮田部長:
研修の資料も厚生労働省のホームページに公開されているので、その勉強さえすれば私にだって講師が務まりましたしね。
大熊社労士:
あはは。でも、勉強されたことは確かですよね。
福島さん:
大熊先生、それで、どのような変更が行なわれたのですか?
大熊社労士:
はい、支給要件に「介護関係制度の設計・見直し」と「働き方改革の取組」の2点が追加されました。「介護関係制度の設計・見直し」とは、「育児・介護休業法に定める介護関係制度について、法律を上回る制度を導入すること」であり、「働き方改革の取組」とは、「年次有給休暇の取得促進」や「時間外労働時間の削減」です。
服部社長:
いきなりハードルがかなり上がりましたね。中小企業だと、これから増えるであろう介護休業の制度に対し、法律を上回る制度を導入することは現実的に難しいと思います。もう一つの年次有給休暇の取得促進や残業の削減もやりたいけれども、受注が増えると、やはり目の前の仕事を片付けなければとなりますからね。もちろん、主旨は十分理解していますけれども。
大熊社労士:
確かにそうですね。私も助成金の申請はなかなか困難になったと感じました。しかも、取組みの手順も示され、きちんと手順を踏んで申請をすることになります。具体的にはこちらの資料になります。
宮田部長:
え!研修の受講者が8割以上でなければならないのですか?当社はアンケートは多くの従業員が出してくれたけれども、研修の受講者は6割いたかなぁというところでしたよ。
福島さん:
そうですね。就業時間内にやりましたけど、告知から開催まであまり時間がなかったこともあり、出たいけれども出られないという従業員もいましたね。5月中に申請までやってしまおうという目標に少し無理があったのかなぁと反省もしました。
服部社長:
まぁ、窓口設置の告知もしたし、今後、相談ごとがあれば総務に話が入るだろうから、よかったのだと思うよ。
大熊社労士:
そうですね。さて、資料で先ほど説明した追加された支給要件を確認しておきましょうか。左下が「介護関係制度の設計・見直し」ですが、法律を上回る制度の導入として、「休業・休暇等の取得回数、取得単位、休業した期間(時間)の有給化」の記載があります。例えば、介護休暇を無給から有給にするということが考えられるのでしょうね。そして、右側4分の1程度が「働き方改革の取組」です。ここで注意しておかなければならないこととして、3ヶ月の間、実績を把握する必要があるということです。
福島さん:
「前年同期と比較」と書いてあるということは、1年前の状況を調べる必要があるのですね。たいへんですね。
大熊社労士:
そうなのです。しかも、取組みの手順は、左側の第1段階から進めることになりますので、社内研修等を終わらせた後の3ヶ月間の実績を把握することになります。
宮田部長:
えぇ~、じゃぁ、いまから取組みを始めたとして、6月がもうすぐ終わるから・・7月・8月・9月・・・最短でも10月の申請という感じですかね?
大熊社労士:
そうなるでしょうね。来年1月には、改正育児・介護休業法が施行されますが、省令等がまだ決定していないため、それを踏まえた規程の改定もできず、社労士としてはやりづらい状況になりそうです。
宮田部長:
なるほど、いろいろあるのですね。
服部社長:
私もこの助成金の問題は新聞でチラッとみかけた覚えがありますが、弊社が申請した時期は支給要件が甘かったのでしょうね。宮田部長と福島さんには早い取組みを行ってくれたことに感謝しつつ、その取組みの中で行なったことが助成金をもらうためだけじゃなく、従業員のためになるように更なるバックアップをお願いしますね。
宮田部長:
もちろんです。
福島さん:
今回、多くの従業員が出してくれたアンケートについては、来年の規程改正に役立てたいと思っています。
服部社長:
ありがとう。大熊さん、引き続きよろしくお願いしますね。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。変更された支給要領は厚生労働省のホームページで公開されていますので、申請を検討される場合にはご確認ください。なお、今後、2016年6月24日以降のQ&Aも公開されるようです。
関連blog記事
2016年5月9日「介護休業に関する取組みの実施で60万円の助成金が支給されます」
https://roumu.com/archives/65740871.html
参考リンク
厚生労働省「事業主の方への給付金のご案内」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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