来年より始まるマイナポータルを利用した年末調整手続の電子化とその準備

 2019年10月2日の記事「国税庁のホームページに設置された年末調整手続の電子化に向けた取組専用ページ」でご紹介したように、2020年の年末調整からは電子化への取組みが強化され、事前の準備情報が出てきているところです。専用ページは順次公開され、電子化のときに活用できるマイナポータルについても情報が出てきました。

 マイナポータルを活用する仕組みでは、現在、従業員が書面で受け取る控除証明書等を、控除申告書作成の際にデータで一括取得し、控除申告書の所定の項目に自動入力、検算等の作業が簡素化され、データで保存することにより書類での保管が不要となります。

 このいわゆる「マイナポータル連携」を利用するためには、以下のような手続きが必要になります。手続きは一度実施すれば、翌年以降は不要となるものです。

1.マイナンバーカードの取得および読取機器の準備
 マイナポータル連携のためには、マイナンバーカードに搭載されている利用者証明用電子証明書が必要となる。また、マイナンバーカードを読み取るためには、ICカードリーダライタまたはマイナンバーカード対応のスマートフォン等が必要。

2.マイナポータルの開設(ICカードリーダライタまたは対応スマートフォンを利用)
 マイナポータルにアクセスし、利用者登録をする。具体的な開設方法についてはマイナポータルで確認できる。

3.マイナポータルと民間送達サービスの連携
 マイナポータルを活用して保険会社等から電子データを取得するためには、「民間送達サービス」を利用する。そのため、マイナポータルの「もっとつながる」機能から、民間送達サービスのアカウントを開設する。

4.保険会社等へ民間送達サービスのアカウントの登録
 ご契約の保険会社等へ上記3の民間送達サービスの利用者IDを登録するなど、控除証明書データが民間送達サービスに届くように設定する(具体的な方法については保険会社等や民間送達サービスにより異なる)。

 マイナンバーカードの取得率が低迷しており、今後、普及を目指して対策が取られるようですが、年末調整手続の電子化では、マイナンバーカード取得後にも従業員が取組むべきことが多く、実現には会社からの周知やフォローが必要になってくるのでしょう。


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2019年10月2日「国税庁のホームページに設置された年末調整手続の電子化に向けた取組専用ページ」
https://roumu.com/archives/98242.html
2019年6月24日「2020年10月予定 国税庁「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」を無料提供」
https://roumu.com/archives/52172845.html

参考リンク
国税庁「マイナポータルを活用した年末調整及び所得税確定申告の簡便化」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mynapo.htm

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/