2022年の中小企業の賃上げ平均は前年比+775円の5,219円(1.97%)

 政府の要請に加え、現実の物価上昇などもあり、「賃上げの春」となった今年の春闘でしたが、中小企業の状況はどうだったのでしょうか。本日は経団連が2022年6月10日に公表した「2022年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況」の第1回集計結果について取り上げます。なお、本調査は従業員数500人未満の17業種754社を対象に実施されたもので、今回の結果は集計可能な249社の結果となっています。

 これによれば今春の中小企業の賃上げの総平均は5,219円(1.97%)となり、昨年実績である4,444円と比較すると、775円のプラスとなっています。業種別では、製造業で5,434円(2.03%)、非製造業で4,791円(1.85%)となり、例年よりも高い昇給水準になったことが分かります。

 初任給や最低賃金も年々上がっていること、そして世界的な物価高もあり、今後も賃上げ基調は続くことが予想されます。それを賄うことができるような収益性の確保が重要となります。


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参考リンク
経団連「2022年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況[了承・妥結含](第1回集計:2022年6月10日)」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/058.pdf

(大津章敬)