平成18年度に解約となった適年の44.78%が中退共に移行

平成18年度に解約となった適年の44.78%が中退共に移行 先日、中退共より「税制適格退職年金制度から中小企業退職金共済制度への移行状況」という資料が発表になりました。中退共は適格退職年金制度の有力な受け皿の一つとなっていますが、この資料では平成18年度の適年制度からの移行状況がまとめられています。


 これによれば平成18年度中に適年制度を解約した企業(6,205件)のうち、中退共に移行した件数は2,779件で、全体の44.78%を占めています(グラフはクリックして拡大)。この件数は前年度の3,986件と比べると、30.3%の大幅減となっていますが、平成17年度は適年資産の全額移換が認められたことで多くの企業の移行が集中した年でしたので、ある意味で異常値だったと指摘できます。最近は長期金利の先高感もあり、中退共の商品力が相対的に低下していますが、そのシンプルな仕組みは小規模企業を中心に適年移行の有力な選択肢であることに変わりはないでしょう。


 適年廃止の移行期間もあと5年を切りましたが、平成18年度末でまだ38,885件もの適年の契約が残っています。過去5年間、多くの適年改革案件のコンサルティングを行っていますが、最近は適年の受け皿も多様化し、また企業の財務状況などにも大きな影響を受けるため、その制度改定に必要な期間は徐々に長期化しています。現在、適年契約が存続している企業のみなさんは「まだ5年ある」という認識は捨て、1年でも早い着手をして頂きたいと思います。



関連blog記事
2007年4月21日「6月26日 退職金・企業年金改革セミナー(大津章敬)受付開始」
https://roumu.com
/archives/50949614.html

2007年4月12日「導入例が急増する規約型DBと企業型DC」
lhttps://roumu.com
/archives/50942249.html

2007年4月11日「平成19年度 中退共の付加退職金はゼロ」
https://roumu.com
/archives/50936186.html


参考リンク
中退共「税制適格退職年金制度から中小企業退職金共済制度への移行状況」
http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/tekinen/pdf/ikoujyokyo.pdf


(大津章敬


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。