ワークライフバランス実現には企業トップのリーダーシップ発揮が必要不可欠
前回、9月8日のブログ記事「生活の中での「仕事」優先度は約50%」に引き続き、今回も内閣府が行った「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」の結果を取り上げましょう。前回のブログでは、まだまだたくさんの課題を解決しなければワークライフバランスの実現は難しいとまとめました。今回は、ワークライフバランスが実現される社会に近づくために必要な取り組みについて取り上げていきたいと思います。
この調査は、全国の20歳以上60歳未満の男女2,500人を対象として行われたものですが、その質問項目として、「「ワーク・ライフ・バランスが実現された社会」に近づくためには、企業による取組として、どのような取組が必要か」というものがあります。この質問項目について「非常に重要」もしくは「重要」という回答が多かった上位5項目は以下のとおりとなっています(グラフはクリックして拡大)。
無駄な業務・作業をなくす 87.0%
管理職の意識改革を行う 82.9%
社長や取締役がリーダーシップを発揮してワーク・ライフ・バランスに取り組む 82.4%
育児休業をとりやすくする 77.8%
管理職以外の社員の意識改革を行う 75.7%
一般向けの調査ですので、「仕事の量を減らす」「社員を増やす」「ノー残業デーを設ける」「年休の取得計画をつくる」「在宅勤務ができるようにする」といった現場レベルでの分かりやすい対策が上位に来るかと思いましたが、そうした項目よりもより企業トップを中心に意識改革を含めた働き方の変革が重要であるという意識が明確に出ています。
今後、新たな人材の確保や優秀な人材の流出防止を考えたときワークライフバランスへの取り組みは更に重要なものになるでしょう。今回の調査結果を見ても、まずはトップが確固たる考えを持ち、宣言することがワークライフバランス実現に向け、強く求められていることが分かるのではないでしょうか。
関連blog記事
2008年9月8日「生活の中での「仕事」優先度は約50%」
https://roumu.com
/archives/51405823.html
2008年8月21日「マツダの事例に学ぶワークライフバランスのための具体策」
https://roumu.com
/archives/51394642.html
2008年7月21日「仕事と生活の調和(WLB)推進のための国民運動がスタート」
https://roumu.com
/archives/51375337.html
参考リンク
内閣府「「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」について」
http://www8.cao.go.jp/wlb/index.html
(宮武貴美)
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