マツダの事例に学ぶワークライフバランスのための具体策

 ワークライフバランスが人事労務管理における大きなキーワードとなっていますが、マツダは先日、社員のワークライフバランスを充実させるための10の施策について、8月11日より順次、実施していくことを発表しました。その内容は以下のとおりですが、非常に実務的かつ先進的な取り組みであり、今後、多くの企業のワークライフバランス施策に影響を与えることになるのではないかと思います。



(1)母性保護休暇
 妊娠中の体調不良等に際して休暇取得を可能とする。[2008年8月11日]
(2)育児休暇
 男女を問わず、子が1歳になるまでの期間で、連続5労働日の休暇取得を可能とする。[2008年8月11日]
(3)育児休職
 休職期間を、これまでの1歳まで(事由により1歳半まで)から3歳までに拡大するとともに、分割取得を可能とする。[2008年8月11日]
(4)育児にかかわる勤務特例措置
 適用期間を、これまでの「小学校2年生まで」から、「小学校卒業まで」に拡大する。[2008年8月11日]
(5)再雇用制度
 結婚・育児・介護などで退職した復帰意欲のある元社員を対象に、再入社の機会を提供する。[2008年8月11日]
(6)在宅勤務制度
 育児と介護を対象に、所定時間の25%までの範囲で在宅での勤務を可能とし、より柔軟な勤務を実現する。[2008年8月11日]
(7)ハートフル休暇制度
 親族の看護や、ボランティア、子供の学校イベント、不妊治療を目的に休暇取得を可能とする。[2008年8月11日]
(8)家族参観日
 社員が働いている職場にその家族を招待し、仕事への理解を深める機会を提供する。[2008年8月以降]
(9)女性社員のネットワーク作り
 女性社員が活躍するための、語り合いや情報交換ができるネットワークと場所を提供する。[2008年10月以降]
(10)キャリアデザイン研修
 女性社員の長期的なキャリアプランの策定を支援する。[2008年10月以降]


 事業所内託児施設の設置など育児支援策の中には大きなコストが必要となり、実現可能性が低いものも少なくありませんが、今回の10の施策のうちいくつかは、環境整備さえ行えばそれほど大きな負担もなく導入できるものも多く、非常に参考になるのではないかと思います。ワークライフバランスはまだ現場の意識にはなかなか浸透していないともされていますが、今後、5年、10年というスパンで考えた場合には企業の人事労務管理を揺さぶる大きなうねりになっていくのではないかと考えています。



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2008年3月5日「育児休業の取得促進に関する助成金制度」
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参考リンク
マツダ「ワークライフバランス充実のための10施策を実施」
http://www.mazda.co.jp/corporate/publicity/release/2008/200808/080808.html


(大津章敬)


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