インドとの社会保障協定が実質合意

インドとの社会保障協定が実質合意 経済のグローバル化が進展し、企業から派遣されて海外で働くことや、将来を海外で生活される人が年々増加しています。海外で働く場合は、原則として働いている国の社会保障制度に加入をする必要があり、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しなければならない場合が生じています。また、日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金に加入しなければならない場合があるため、保険料の掛け捨てになってしまうことが以前から問題となっていました。

 そこで、「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)、保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする(年金加入期間の通算)という2つの目的のために、現在、諸外国と社会保険協定の締結が進められています。

 2012年3月1日には新たにスイスおよびブラジルとの協定が発効し、現在では、以下の14ヶ国との社会保障協定が発効していますが、先日、インドとの間でも社会保障協定の締結について、実質合意に至りました。発効日は未定ですが、今後、インドに進出する企業の増加が予想されていることから早期の発効が期待されます。

現在協定を結んでいる国
 ドイツ イギリス 韓国 アメリカ ベルギー フランス カナダ オーストラリア オランダ チェコ スペイン アイルランド ブラジル スイス
※イギリスおよび韓国については、期間通算制度の適用はありません。
※ドイツは派遣開始後60暦月目の月末まで、その他の相手国は派遣開始から5年目までが当初派遣期間として認められる。相手国により派遣の延長ができる場合がある。
発効準備中の国
 イタリア


関連blog記事
2012年3月8日「3月1日よりスイス・ブラジルが加わり社会保障協定の対象国は14ヶ国に」
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2012年1月9日「中国人事管理の先を読む!第27回「日中社会保険協定交渉と徴収執行の猶予」」
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2011年12月17日「2012年3月にスイスとの社会保障協定が発効」
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2011年12月9日「2012年3月にブラジルとの社会保障協定が発効」
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参考リンク
厚生労働省「日・インド社会保障協定(仮称)交渉における実質合意」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002bqwl.html
日本年金機構「社会保障協定」
http://www.nenkin.go.jp/agreement/index.html
日本年金機構「社会保障協定に関するご質問(Q&A)」
http://www.nenkin.go.jp/n/www/faq/result.jsp?faq_genre=009
厚生労働省「海外で働かれている皆様へ(社会保障協定)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/shakaihoshou.html

(大津章敬

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