今から始める雇用調整助成金の申請(3) まずは確認!会社の生産量や売上高の減少

 雇用調整助成金の申請の連載第3回目は、雇用調整助成金の前提となる生産量要件(生産量や売上高の減少)を確認しておきましょう。ただ、今回の内容も緊急事態宣言の影響で変更される可能性もあるかもしれません。


[過去記事はこちら!]
(1)全体の流れの確認と計画届の事後提出
https://roumu.com/archives/101906.html
(2)休業日の決め方(よくある質問)
https://roumu.com/archives/101930.html


 雇用調整助成金の前提は、「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主」に支給されるものです。そのため、この内容に合致しているかの確認を行う必要があります。

 雇用調整助成金は、かなり前からあるものであり、新型コロナウイルス感染症で要件緩和が複数回行われているものです。したがって整理をすると以下のようになっています。

【原則】
売上高または生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3ヶ月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。
   ↓
【要件緩和①】
・生産指標の確認対象期間を3ヶ月から1ヶ月に短縮
最近1ヶ月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たすことに。
   ↓
【要件緩和②】
・緊急特定地域特別雇用安定助成金の創設
 緊急特定地域(現状:北海道のみ)に指定されたときは、生産指標要件を満たすものとして取り扱う。
   ↓
【要件緩和③(予定)】
4月1日から6月30日までは、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ5%以上減少していれば、生産指標の要件を満たすことになる予定。

 生産指標の確認は、提出があった月の前月と対前年同月比で行うことになっています。したがって、3月の休業の計画を4月に提出するときには昨年3月と今年の3月を、3月の休業の計画を5月に提出するときには昨年4月と今年の4月を用いることになるので、気を付けましょう。

[今回のチェックポイント]
□まずは生産指標を満たしているか確認しましょう。
□生産指標の確認は計画届の提出する月の前月が比較対象です。
□緊急特定地域(現状:北海道)は生産指標の要件を満たしたことになります。


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2020年4月8日「今から始める雇用調整助成金の申請(2) 休業日の決め方(よくある質問)」
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2020年4月7日「今から始める雇用調整助成金の申請(1) 全体の流れの確認と計画届の事後提出」
https://roumu.com/archives/101906.html
参考リンク
厚生労働省「雇用調整助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/