8月1日の離職から変更になった離職票等の支払基礎日数のカウント

 2020年6月19日の記事「離職票 8月以降の退職は11日以上の月に加え80時間以上の月を1ヶ月とカウント」で取り上げた通り、2020年8月1日以降の離職について、離職票の記載方法が変更となります。具体的には、離職日から1ヶ月ごとに区切っていた期間に、賃⾦⽀払の基礎となる日数が11日以上ある月、または、賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月を1ヶ月として計算することになります。

 この取扱いについて、先日厚生労働省のホームページで公開された「雇用保険に関する業務取扱要領(令和2年8月1日以降)」(以下、「雇用保険業務取扱要領」という)および「雇用保険事務手続きの手引き」において、具体的内容の記載方法が明示されました。

 雇用保険業務取扱要領では、以下のような取扱いが示されています。


 離職日が令和2年8月1日以降であって、離職の日以前の2年間に賃金支払の基礎となった日が11日以上の月が12ヶ月に満たない場合は、完全月(例:8月18日~9月17日)で賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を被保険者期間1ヶ月と算定するため、当該月の賃金の支払の基礎となった時間数を⑬欄に記載する。なお、上記の記載がない離職証明書が提出された場合、⑨欄及び⑪欄の基礎日数が10日以下の期間が失業等給付の受給資格の有無および賃金日額の算定に影響しないことが明らかであれば、時間数の記載を省略して差し支えない。


 該当する従業員は多くないと想像されますが、受給資格に影響を与える可能性もあるので、慎重な対応が求められます。なお、この取扱いは離職票のみではなく、雇用継続給付に係る賃金の証明においても同様の取扱いとなります。

■雇用保険に関する業務取扱要領(令和2年8月1日以降)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/data/toriatsukai_youryou.html
■雇用保険事務手続きの手引き
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131698.html


関連記事
2020年6月18日「失業等給付の受給資格を得るために必要な「被保険者期間」の算定方法が変わります」
https://roumu.com/archives/103476.html
2020年6月19日「離職票 8月以降の退職は11日以上の月に加え80時間以上の月を1ヶ月とカウント」
https://roumu.com/archives/103486.html
2020年1月13日「雇用保険法改正案(2)高年齢雇用継続給付の引下げと離職票の支払基礎日数の考え方の変更」
https://roumu.com/archives/100456.html

参考リンク
厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(令和2年8月1日以降)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/data/toriatsukai_youryou.html
厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131698.html

(宮武貴美)