男性育休取得促進を盛り込んだ育児・介護休業法等改正法案が国会に提出

 2021年2月6日の記事「育児介護休業法改正法律案要綱に見る「出生時育児休業(いわゆる男性の産休)」制度の概要」で取り上げた育児・介護休業法等改正法案が、先週の金曜日、現在会期中の国会に提出されました。

 この改正法案では、出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講ずることを趣旨としています。改正の概要は以下のとおりです。

1.男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設
・子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設する。
①休業の申出期限については、原則休業の2週間前までとする。
②分割して取得できる回数は、2回とする。
③労使協定を締結している場合に、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。

2.育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
①育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置
②妊娠・出産(本人または配偶者)の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知および休業の取得意向の確認のための措置を講ずることを事業主に義務付ける。

3.育児休業の分割取得
育児休業(1.の休業を除く。)について、分割して2回まで取得することを可能とする。

4.育児休業の取得の状況の公表の義務付け
常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。

5.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止する。ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能とする。

 今回の改正法案は、雇用保険法の改正も盛り込まれており、育児休業給付もあわせて変更される予定です。


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2021年2月10日「出生時育児休業(男性産休)とともに国会提出される雇用保険育児休業給付金の改正」
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2021年2月6日「育児介護休業法改正法律案要綱に見る「出生時育児休業(いわゆる男性の産休)」制度の概要」
https://roumu.com/archives/106101.html
参考リンク
厚生労働省「第204回国会(令和3年常会)提出法律案」
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/204.html
(宮武貴美)