ついに厚労省より公表されたテレワークガイドライン

 先日、厚生労働省より「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)が公表されました。テレワークの導入等を推進する観点から、従来のガイドライン(2018年2月)を名称も含めて改訂されています。

 そして、今回のガイドラインには、テレワーク導入に際して望ましい取り組み、人事評価や費用負担等の労務管理上の留意点、フレックスタイム制やみなし労働時間制等との関係、中抜けや長時間労働等テレワークに関連する労働時間管理のあり方のほか、安全衛生、労災補償、セキュリティ対応等の幅広い問題について考え方が示されています。

 また、今回のガイドラインには、安全衛生に関する2つのチェックリストが提供され、「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト(事業者用)」「自宅等においてテレワークを行う際の作業環境を確認するためのチェックリスト(労働者用)」があります。

 「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト(事業者用)」は、テレワークでは、労働者が上司等とコミュニケーションを取りにくい、上司等が労働者の心身の変調に気づきにくいという状況となる場合が多いため、企業に対してこのチェックリストを活用する等により、健康相談体制の整備や、コミュニケーションの活性化のための措置を実施することを求めています。

 「自宅等においてテレワークを行う際の作業環境を確認するためのチェックリスト(労働者用)」については、自宅等については、事務所衛生基準規則等は一般には適用されないが、安全衛生に配慮したテレワークが実施されるよう、このチェックリストを活用すること等により、作業環境に関する状況の報告を労働者から求め、必要な場合、労使が協力して改善を図ったりサテライトオフィス等の活用を検討したりすることが重要だとしています。

 ガイドラインの内容を確認するとともに、2つのチェックリストを活用して、テレワークを行う環境を改善していきましょう。


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2021年3月18日「検討が進むテレワークガイドラインの改定と新設されるチェックリスト」
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2021年1月2日「厚生労働省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書における労働時間管理のポイント」
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参考リンク
厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html
(福間みゆき)