[平成19年雇用保険改正]教育訓練給付の要件等変更

 本日は昨日に引き続き、雇用保険法改正の第3回目として教育訓練給付制度の要件等の変更について取り上げましょう。



[質問]
 社員から「資格取得ため、通信教育を受講することにしました。何か利用できる補助制度はありませんか?」と質問されました。当社では特別な手当はありませんので、雇用保険の教育訓練給付制度を紹介しようと思っています。この制度の概要と法改正の内容を教えてください。


[回答]
 雇用保険には、一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者等が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した際に、本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費の一定割合に相当する額を公共職業安定所から支給する教育訓練給付制度があります。今回の法改正でこの制度の要件および内容が変更になりました。


【旧制度】
 被保険者期間3年以上5年未満 20%(上限10万円)
 被保険者期間5年以上       40%(上限20万円)
【新制度】
 被保険者期間3年以上      20%(上限10万円)
 ※初回に限り1年以上で受給可能


■事例
 被保険者期間6年、受講料等の教育訓練経費50万円
 旧制度:50万円×40%=20万円
 新制度:50万円×20%=10万円


 この制度は平成19年10月1日以降に指定講座の受講を開始した方が対象となります。また、この制度は受講した本人が受講修了後、本人の住所を管轄する公共職業安定所に申請を行うことになっています。


[まとめ]
 今回の改正で被保険者期間5年以上の支給率は引き下げられるものの、初回の受給要件が緩和されるため、より受給しやすくなったと言えるでしょう。一方、既に被保険者期間が5年以上ある方で受講料等が高い講座の受講を考えている方は、今回の機会に早めに受講開始されることをお勧めします。



関連blog記事
2007年5月14日「[平成19年雇用保険改正]育児休業給付の給付率引き上げ」
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2007年5月11日「[平成19年雇用保険改正]雇用保険の受給資格要件変更」
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2007年4月23日「[確報]厚生労働省より年度更新納付期限延長(6月11日)が正式発表」
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2007年4月20日「改正雇用保険法成立に伴う新雇用保険料率」
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参考リンク
厚生労働省「雇用保険法が変わります!~雇用保険被保険者のみなさまへ」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/02.pdf
厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成19年法律第30号)の概要」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/01.pdf
厚生労働省「教育訓練給付制度検索システム」
http://www.kyufu.javada.or.jp/kensaku/T_M_kensaku


(宮武貴美)


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