中退共累積欠損金は平成19年度に解消の見通し

中退共 累積欠損金の推移 平成24年3月に廃止される適格退職年金の受け皿をどうするかは、その契約を行っている企業にとって大問題です。基本的には中退共、確定給付企業年金、確定拠出年金のいずれかに移換することになりますが、その中で中退共はその財務状況の悪さ、およびそれに伴う解消計画の影響で利回りが当面年1%に固定されるという点が大きなデメリットとなっていました。この点に関し、今日、ある中退共関係者から話を聞く機会がありました。


 公式にはまだ平成18年度の財務諸表は公開されていませんが、累積欠損金は120億円まで減少し、平成19年度中にはこの解消ができそうだという話になっているようです。平成17年10月1日に策定された「累積欠損金解消計画」では、平成29年度末とされていた解消年度が大幅に前倒しとなりそうです。平成17年度以降の運用環境の好転と適年からの資産移行による運用総資産額の増加が予想以上の追い風になっているのでしょう。
[累積欠損金の推移](グラフはクリックして拡大)
平成15年度 2,673億円
平成16年度 2,271億円
平成17年度  854億円
平成18年度  120億円(概算値)


 この情報はまだ未確認情報として理解していただきたいと思いますが、来年度にも累積欠損金が解消し、予定運用利回り引き上げの機運が高まってくるとすれば、中退共は適年の受け皿として、再度注目を浴びることになるでしょう。この動向については今後も注目し、正式な情報が入り次第、再度当blogで取り上げたいと思います。



関連blog記事
2007年6月21日「平成18年度に解約となった適年の44.78%が中退共に移行」
https://roumu.com
/archives/51001701.html

2007年4月12日「導入例が急増する規約型DBと企業型DC」
https://roumu.com
/archives/50942249.html

2007年4月11日「平成19年度 中退共の付加退職金はゼロ」
https://roumu.com
/archives/50936186.html


参考リンク
中退共「財務に関する情報」
http://www.taisyokukin.go.jp/dis/dis02_03.html


(大津章敬


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。