春闘の争点は、社員の雇用安定と戦力化が中心に

大企業の春闘の争点は、社員の雇用安定と戦力化が中心に 先日、日本経団連より「2007年春季労使交渉に関するトップ・マネジメントのアンケート調査結果」という資料が公表されました。これは日本経団連会員企業および東京経営者協会会員企業(計2,101社)の労務担当役員以上のトップ・マネジメントを対象に行われたもので、回答企業の企業規模は500人以上の企業が全体の4分の3、残りの4分の1がそれ未満の企業となっています。


 この調査では、賃金決定のあり方や雇用の過不足状況、ワークライフバランスや出産・育児を支援する制度・施策などの人事労務管理の諸課題についての調査が行われているのですが、私が注目したのは「今次労使交渉の結果、取られた措置」という項目。これによれば、今次労使交渉の結果、取られた措置の上位は「賞与・一時金額の引き上げ」38.8%、「若年層への重点配分」31.3%、「次世代育成関係施策(児童手当拡充など)」21.4%、「人材育成施策(自己啓発支援・研修費用増など)」15.6%となっています(画像はクリックして拡大)。賞与の引き上げはここ数年、常にトップの内容ですが、2位から4位は如何にも今日的なテーマが見事に並んでいると感じます。人材不足を背景に、如何に既存の人材の雇用を安定させ、かつ戦力化していくのかが人事労務管理における最大の課題になっていることが明確に見えるのではないでしょうか。一方、業績賞与制度や退職金・企業年金制度の見直し、定昇制度の見直しといった広い意味での報酬制度改革は既に対応が一巡したのでしょうか、昨年と比べていずれも低い水準に止まっています。


 来春に向けては、裁判員制度への対応が大きな課題となってくることでしょう。



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2007年2月7日「東証第1部上場企業の労使が2007年の課題と考えている人事施策」
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参考リンク
日本経団連「2007年春季労使交渉に関するトップ・マネジメントのアンケート調査結果」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/079.pdf


(大津章敬)


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