[H19年末調整]寡婦に該当する人の条件~Q&Aその1

 年末調整の連載をご覧になった方から、「年末調整のときに注意する内容をブログで取り上げて欲しい」とのご要望を頂きましたので、今日から数回に亘り、Q&A方式で取り上げていきます。第1回目は「寡婦の条件」です。



[質問]
 先日、入社した女性社員には、小学生のお子さんがいらっしゃいます。家庭にいろいろ事情があり、未婚でこのお子さんを出産されたそうですが、年末調整において寡婦控除を適用することができるのでしょうか?


[回答]
 未婚の母は生計を一にする子がある場合でも寡婦には該当しません。寡婦控除には「寡婦」と「特別の寡婦」の2つの控除があり、これらの控除を適用するためには、納税者本人が、原則としてその年の12月31日の現況で、次の要件を満たす必要があります。


◆寡婦
 所得者本人が次ののいずれかに該当する者
次のいずれかに該当する人で、扶養親族又は生計を一にする子(※1)のある人
 (1)夫と死別した後、婚姻していない人
 (2)夫と離婚(※2)した後、婚姻していない人
 (3)夫の生死の明らかでない人
上記に掲げる人のほか、次のいずれかに該当する人で、合計所得金額が500万円以下の人
 (1)夫と死別した後、婚姻していない人
 (2)夫の生死の明らかでない人
※1 ここでいう「生計を一にする子」には、他の所得者の控除対象配偶者や扶養親族になっていたり、所得金額の合計額が38万円を超えている人は含まれない。
※2 離婚の場合には、扶養親族などがなければ合計所得金額が500万円以下であっても寡婦控除の対象となる「寡婦」には該当しない。


◆特別の寡婦
 寡婦のうち、扶養親族である子を有し、かつ、合計所得金額が500万円以下の者


[まとめ]
 年末調整における各種控除等は、社員からの申告に基づいて行うことになりますが、申告されたに内容に関しては、控除対象になるかを確認し、正しい控除を行うように求められています。また、会社側としては、年末調整においてどのような控除ができるのかを社員に周知し、申告内容に疑義が生じた場合には社員に確認することが求められるでしょう。



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参考リンク
国税庁(タックスアンサー)「No.1170 寡婦控除」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1170.htm
国税庁「平成19年分 年末調整のしかた」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2007/01.htm


(宮武貴美)


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