今春の賃上げ率の見通しは前年比0.04ポイントプラスの1.91%

 年が明けると、そろそろ春闘の準備が始まりますが、先日、第一生命経済研究所より「今年の春闘賃上げ率見通し」という調査レポートが発表されました。今年の春闘の見通しを予想した資料としては最初の資料だと思いますので、ここで概要を紹介したいと思います。


 大企業を中心に業績の拡大や人出不足が見られ、組合サイドからは賃上げの圧力が強まってますが、今回の見通しでは、2008年の春闘賃上げ率はプラス1.91%と、2007年の1.87%から0.04%ポイント程度の改善にとどまるという予想が示されています。この背景には以下のような状況が見られます。
経済のグローバル化による世界的な賃金低下圧力
外国人株主比率の上昇等による配当等に関する株主重視の姿勢
原油高やサブプライム問題など企業業績への不安材料


 実際の昇給の水準については今後の動向を見る必要があろうかとは思いますが、現実的に多くの企業経営者においては原油高に伴う企業業績の先行き不安感が非常に高まっているのは間違いのない事実ですので、今年の賃上げ水準はかなり抑制的に動くのではないかと予想しています。



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2007年12月27日「平成19年の賃上げ実績は4年連続プラスの4,378円」
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2007年8月21日「主要企業の昭和40年以降の賃上げの推移」
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2007年6月7日「日本経団連による2007年賃上げ最終集計 結果は6,202円(1.90%)」
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参考リンク
第一生命経済研究所「今年の春闘賃上げ率見通し」
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban/pdf/et07_239.pdf


(大津章敬)


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