平成20年4月から実施されている離婚時の厚生年金の分割制度のポイント
離婚時の厚生年金の分割制度は、昨年の実施前に多く騒がれていましたが、その後、年金記録問題や後期高齢者医療制度が社会問題化したことから、以前のようには大きく取り上げられなくなっています。そんな中、平成20年4月より「3号分割制度」(画像はクリックして拡大)が実施されていますので、本日はこの3号分割制度のポイントについて取り上げてみましょう。
この制度は、離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金を分割するものです。具体的には以下の2つの条件に該当した場合に、国民年金の第3号被保険者期間であった者からの請求に基づき、平成20年4月1日以後の相手方の厚生年金の標準報酬を2分の1ずつ、当事者間で分割できるものです。
平成20年5月1日以後に、離婚した場合など
平成20年4月1日以後に、国民年金の第3号被保険者期間があること
既に平成19年4月に実施されている合意分割制度が当事者の合意または裁判手続により定められた年金分割の割合で分割されることに対し、この3号分割制度では、第3号被保険者であった者の請求に基づき、自動的に2分の1に分割されることが特徴だと言えるでしょう。なお、この制度で分割される標準報酬は、平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の相手方の厚生年金の標準報酬に限られるため、それ以前の分割も望む場合は、別途、合意分割制度を利用する必要があります。
関連blog記事
2007年5月22日「離婚時の厚生年金分割制度 制度開始1ヶ月での請求実績は?」
https://roumu.com
/archives/50976508.html
2006年10月5日「平成19年4月より離婚時の厚生年金の分割制度がスタート」
https://roumu.com
/archives/50747142.html
参考リンク
社会保険庁「離婚時の厚生年金の分割制度について」
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1003.html
(宮武貴美)
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。