2007年度企業年金の修正総合利回りは△10.58%
サブプライムローン問題に端を発する世界的な金融恐慌により企業年金の運用も大きな影響を受けていますが、先日、企業年金連合会より「企業年金における資産運用の状況 2007年度年次報告書」が公表されました。この調査は、同連合会の会員たる厚生年金基金(623件)および確定給付企業年金(756件)を対象に実施されたもので、回答率は概ね78%。
これによれば、2007年度の企業年金の修正総合利回りは△10.58%となり、5年振りのマイナス運用となったことが明らかになりました(グラフはクリックして拡大)。昨年度の運用環境は、各資産の市場収益率は国内債券が3.36%、外国債券が0.52%と債権はなんとかプラスの成績を収めた一方、株式は国内株式が△28.05%、外国株式が△16.80%となり、全体の利回りを大きく引き下げました。ちなみに過去からの年金資産の増減がわかる幾何平均(各期間の収益率をつなげて(リンク)計算)でみると、5年平均が6.23%、10年平均が1.73%、20年平均は3.22%となっています。
今回の発表は2007年度のものですが、11月13日のブログ記事「金融危機と円高により危機的な状況にある企業年金の運用」で取り上げたように、2008年度については更に大きなマイナスが発生していますので、今後、企業に大きな負担として圧し掛かることが懸念されます。
関連blog記事
2008年11月13日「金融危機と円高により危機的な状況にある企業年金の運用」
https://roumu.com
/archives/51448321.html
2008年10月19日「2008年度上半期の企業年金運用はマイナス4.66%に悪化」
https://roumu.com
/archives/51430706.html
2008年10月5日「中退共 累積欠損金急増で財務状況に関する資料を公開」
https://roumu.com
/archives/51423111.html
2008年8月26日「中退共 平成19年度決算発表 運用利回りは△2.98%で繰越欠損金は1,564億円まで急増」
https://roumu.com
/archives/51398061.html
2008年7月31日「2008年4~6月の企業年金運用はプラス2.68%に反転」
https://roumu.com
/archives/51379779.html
参考リンク
企業年金連合会「企業年金における資産運用の状況 2007年度年次報告書」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/pdf/AnnualReport2007.pdf
(大津章敬)
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