平成20年度後半以降激増する解雇や労働条件引下げの労働相談
先日、東京労働局より「平成20年度における個別労働紛争解決制度の施行状況」の集計結果が公表されました。この調査は、平成20年度において,都内21か所の総合労働相談コーナーに寄せられた総合労働相談の受付状況等をまとめたものですが、以下のとおり、いずれも前年実績より大幅に相談件数が増加しています(グラフはクリックして拡大)。
総合労働相談件数 138,219件(前年比4.3%増)
民事上の個別労働紛争相談件数 25,121件(前年比25.8%)
助言・指導申出受付件数 717件(前年比28.0%増)
あっせん申請受理件数 1,840件(前年比28.7%)
中でも,急速な経営環境の悪化が見られた昨年度下半期以降、「整理解雇」の件数は平成19年度比168.4%増、「採用内定取消」同比132.8%増、「雇止め」同比90.9%増、「退職勧奨」同比74.8%増、「労働条件引き下げ(賃金)」65.0%増という状況になっており、雇用調整局面での混乱を裏付ける結果となっています。
一部では景気の底入れも言われていますが、厚生労働省が昨日発表した2009年5月の有効求人倍率は調査開始以来最悪の0.44倍となっているなど、まだまだ雇用危機は継続しており、今後も解雇などの労働トラブルは高い水準で推移することが予想されます。
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関連blog記事
2009年6月21日「増加の一途を辿る個別労働紛争解決制度の利用」
https://roumu.com
/archives/51570847.html
2009年3月5日「前年比16.8%の大幅増となった労働基準監督署への解雇申告件数」
https://roumu.com
/archives/51512926.html
参考リンク
東京労働局「平成20年度における個別労働紛争解決制度の施行状況」
http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2009/20090626-hunsou/20090626-hunsou.html
厚生労働省「一般職業紹介状況(平成21年5月分)について」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/ippan/2009/05/index.html
(大津章敬)
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