1ヶ月の離職者が30人を超える場合に職安への提出が必要な大量雇用変動の届出

大量雇用変動届 昨秋から急激に落ち込んだ景気は底を打ったともいわれていますが、雇用情勢はまだまだ好転の兆しが見えないままになっています。雇用調整助成金や中小企業緊急雇用助成金の拡充等で、最終的な人員整理を行わずに持ちこたえている企業も少なからずあると思いますが、今日は会社都合による離職者が多数発生した場合に提出しなければならない大量雇用変動の届出について、取り上げておきましょう。


 事業主は、経済的事情その他の理由により、一の事業所において、1ヶ月以内に自己の都合または自己の責に帰すべき理由によらずに離職する者の数が30人以上になる場合には、大量雇用の変動に該当するため、この届出を提出する必要があります。提出先は事業所を管轄する公共職業安定所であり、提出期限は最後の離職が生じる日の少なくとも1ヶ月前までとされています。離職者の人数には、日々雇用する者や期間を定めて雇用する者は含まないとされていますが、その者であっても同一の事業主に6ヶ月を超えて引き続き雇用される者や6ヶ月を超える期間を定めて雇用された者であって同一の事業主に当該期間を超えて引き続き雇用されるに至っている者については人数に含むことになっています。


 大量雇用変動の届出には、事業所の基本的な情報のほか、(1)離職が生じる年月日又は期間、(2)離職者数(雇用形態別、職種別等)、(3)再就職の援助のための措置、(6)再就職先の確保の状況を記載することになっており、45歳以上60歳未満の離職者数を分けて記載する欄が設けられています。なお、この届出には罰則の規定があり、大量雇用変動の届出に係る規定に違反して届出をせず又は虚偽の届出をした者については、30万円以下の罰金に処することとされています。

[関連法規]
雇用対策法 第27条(大量の雇用変動の届出等)
 事業主は、その事業所における雇用量の変動(事業規模の縮小その他の理由により一定期間内に相当数の離職者が発生することをいう。)であつて、厚生労働省令で定める場合に該当するもの(以下この条において「大量雇用変動」という。)については、当該大量雇用変動の前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該離職者の数その他の厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
2 国又は地方公共団体に係る大量雇用変動については、前項の規定は、適用しない。この場合において、国又は地方公共団体の任命権者(委任を受けて任命権を行う者を含む。次条第三項において同じ。)は、当該大量雇用変動の前に、政令で定めるところにより、厚生労働大臣に通知するものとする。
3 第一項の規定による届出又は前項の規定による通知があつたときは、国は、次に掲げる措置を講ずることにより、当該届出又は通知に係る労働者の再就職の促進に努めるものとする。
一 職業安定機関において、相互に連絡を緊密にしつつ、当該労働者の求めに応じて、その離職前から、当該労働者その他の関係者に対する雇用情報の提供並びに広範囲にわたる求人の開拓及び職業紹介を行うこと。
二 公共職業能力開発施設において必要な職業訓練を行うこと。


雇用対策法 第38条(罰則)
 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第27条第1項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第28条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第33条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
四 第35条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。



関連blog記事
2009年2月5日「再就職援助計画および大量雇用変動届の様式が2月1日より変更に」
https://roumu.com
/archives/51496647.html

2008年12月19日「人員削減をする際に忘れてはならないハローワークへの届出」
https://roumu.com
/archives/51470384.html


参考リンク
厚生労働省「大量雇用変動の届出とは?」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other36/01.html


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。