わが国の2000年以降の賃上げ率は2.0%前後で推移

わが国の2000年以降の賃上げ率は2.0%前後で推移 先日、日本経済団体連合会は「2010年1~6月実施分 昇給、ベースアップ実施状況調査結果の概要」を公表しました。この調査は、日本経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,915社を対象に実施されてもので、有効回答率25.4%。従業員500人以上規模77.4%ですので、基本的には大企業の状況であると理解することが重要です。


 これによれば今春の昇給とベースアップを合計した賃上げ額は5,832円、賃上げ率は1.90%となりました。この水準は、わずかながら前年を上回ったものの、ほぼ横ばいの状況。内訳を見ると、昇給が5,726円(前年比プラス91円)、ベースアップが106円(同プラス5円)となっています。


 一方、図表は1996年以降の賃上げ率(昇給、ベースアップ率)の推移を表したものですが、これによれば、2000年以降においてはベアもほとんど行われておらず、賃上げ率は2.0%前後で推移していることがよく分かります。この間、初任給もそれほど大きくは上昇していないことから、賃金カーブが従来と大きく変容し、多くの企業において中高年層と若年層の水準のギャップが拡大していることが懸念されます。



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参考リンク
日本経済団体連合会「2010年1~6月実施分 昇給、ベースアップ実施状況調査結果の概要」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/106.pdf


(大津章敬)


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