一時的に過去10年まで遡及納付が可能となる国民年金保険料

3年間に限り、納付可能期間を10年間に延長 先月、「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律」(以下、「年金確保支援法」という)が公布されました。

 この法律は、将来の無年金・低年金の発生を防止し、国民の高齢期における所得の確保をより一層支援する観点から、国民年金保険料の納付可能期間を延長することや、企業型確定拠出年金において加入資格年齢の引上げや加入者の掛金拠出を可能とする等の措置を行うことが目的とされた法律であり、公布の日から順次施行となっています。今日はこの中でも広く影響があると考えられる国民年金納付漏れの遡及納付について取り上げましょう。

 現在、国民年金保険料に納付漏れがある場合、原則として過去2年分について遡及して納付することができます。これについて、年金確保支援法が成立したことで、制度の施行日から3年間に限り、過去10年分まで遡及して納付することが可能になります。制度施行日については、平成24年10月1日までの政令で定める日となっており、来年の秋が予定されています。なお、3年度以上遡及して納付する場合には、加算金がかかるため、納付すべき当時よりも多くの保険料を納付する必要があります。

 この制度は、遡及納付できる期間を長くすることにより、未納者が保険料を遡及して納付し、その後の年金受給に繋げるように配慮したものです。国民年金保険料の納付率がなかなか上がらない状況でどの程度、この制度が活用されるか注目したいと思います。なお、日本年金機構からこれに関するリーフレットが公開されていますので是非ご利用ください。

リーフレットのダウンロードはこちら
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51130333.html


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2010年8月25日「過去最低水準となった平成21年度の国民年金納付率」
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参考リンク
日本年金機構「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律を掲載しました」
http://www.nenkin.go.jp/new/topics/kokunen_230905.html

(宮武貴美)

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