成長分野等人材育成支援事業の支給要件が緩和 移籍者への職業訓練も助成対象へ
2010年12月28日のブログ記事「健康・環境分野の人材育成に活用できる成長分野等人材育成支援奨励金」で取り上げた成長分野等人材育成支援事業ですが、2011年10月28日にも要件緩和が行われ、成長分野等以外の産業から労働者を移籍により受け入れ、その者に職業訓練を行う場合についても助成対象とされました。そこで、本日はその要件緩和の内容について見ていくこととしましょう。
[支給対象事業主の主な要件]
(1)雇用保険の適用事業主であること
(2)成長分野等の事業を行う事業主であること
(3)次の①~⑤のいずれにも該当する労働者を、平成23年10月31日以降に移籍により雇用保険被保険者として新規に雇い入れ、Off-JTのみ、またはOff-JTとOJTを組み合わせた職業訓練を行う事業主であること
①成長分野等以外の事業を行う移籍元事業主において1年以上雇用保険被保険者として雇用されていたこと
②移籍元事業主における離職日より前に移籍元事業主との間に移籍の同意があること※
※移籍にあたっては、上記②に加えて移籍先の業務内容や労働条件等について、労働者と移籍元事業主との間で同意していることが必要
③移籍元事業主における離職日の翌日から起算して3ヶ月以内に移籍先事業主に雇い入れられたこと
④移籍先事業主における雇入れ日の前日から起算して3年前の日から雇入れ日の前日までの間のいずれかの日において、移籍先事業主において雇用保険被保険者として就労したことがないこと
⑤以下のアからウいずれかに該当する場合その他の資本的、経済的、組織的関連性等からみて独立性を認めることが適当でないと判断される事業主間で行われる移籍により雇い入れられた者でないこと
ア 他の事業主の総株主または総社員の議決権の過半数を有する事業主を親会社、他の事業主を子会社とする場合における、親会社または子会社であること
イ ア以外で総株主または総社員の議決権の保有状況等からみて、密接な関係にあると認められる事業主であること
ウ 取締役会の構成員について、代表取締役が同一人物であること、または取締役を兼務しているものがいずれかの取締役会の過半数を占めていること
[支給対象となる職業訓練計画・職業訓練コース]
職業訓練コースとは、訓練目標ごとに設定される一連のカリキュラムのことを言います。助成金の支給を受けるには、1つ以上のコースから成る職業訓練計画を作成することが求められますが、その際、以下の要件を満たすことが必要です。
①成長分野等の業務にに関する訓練であること
②1コースの訓練時間が10時間以上であること
(助成対象の上限は、対象労働者1人当たり3コース)
③職業訓練計画の実施期間が、原則1年であること
(ただし、必要な時間数が確保される場合には、6ヶ月以上)
またOJTによる職業訓練を行う場合、以下の要件を満たすことが必要とされます。その他、対象労働者に訓練コースの総訓練時間の8割以上を受講させなければならない点にも注意が必要です。
①対象労働者の職業訓練計画全体を通じて、少なくとも1コースにはOff-JTによる訓練が含まれていること
②専門的な知識、技能を有する指導員・講師により行われるものであること
③OJTによる職業訓練の時間数が、訓練計画全体の総時間数の9割以下であること
[支給額]
Off-JTについては事業主が負担した訓練費用を、OJTについては対象労働者1人につき1時間あたり600円が助成されます。
(1コース当たりの上限は、合計20万円(※) 1人当たり3コースまで)
※大学院をOff-JTで利用した場合には50万円が上限
なお、この助成金は、「キャリア形成促進助成金」など職業訓練を対象とする他の助成金と同一の事由で同時に支給を受けることはできません。
この要件緩和に関するリーフレット以下よりダウンロードすることができますので、是非ご利用ください。
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51144709.html
関連blog記事
2011年7月28日震災被災者支援のため成長分野等人材育成支援事業が拡充されました
https://roumu.com
/archives/51863136.html
2010年12月28日「健康・環境分野の人材育成に活用できる「成長分野等人材育成支援奨励金」」
https://roumu.com
/archives/51810550.html
参考リンク
厚生労働省「 成長分野等人材育成支援事業の奨励金の支給要件をさらに緩和」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001tcvz.html
(福間みゆき)
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。
当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。