健康・環境分野の人材育成に活用できる「成長分野等人材育成支援奨励金」

lb05187 雇用の拡大と労働者の能力開発は国としての重点政策の一つとなっており、様々な助成金制度でその支援が行われていますが、先日、厚生労働省より「成長分野等人材育成支援事業奨励金」という新たな制度の創設が発表されました。この奨励金は、健康・環境分野の人材育成に取り組む事業主に対して、この分野の成長を支え、生産性を高めることを目的としたものになっていますが、本日はこの奨励金の概要についてお伝えしましょう。


[制度の概要]
 健康・環境分野および関連するものづくり分野において、期間の定めのない従業員を雇入れ、または他の分野から配置転換し、Off-JT(通常の業務を離れて行う職業訓練)を実施した事業主へ、訓練費用が助成されます。


[支給額]
 事業主が負担した訓練費用を、対象者1人あたり20万円(※)を上限として受給できます。
※中小企業が大学院を利用した場合には、50万円が上限となります。


[受給対象となる職業訓練コース]
 受給対象となるコースについては、以下の3点などの条件を満たすこととされています。
1コースの訓練時間が10時間以上であること
Off-JTであること
所定労働時間内に実施される訓練が、総訓練時間数の3分の2以上であること


[受給対象分野]
 受給対象分野については、日本標準産業分類における林業、建設業のうち環境や健康分野に関する建築物等を建築しているもの、製造業のうち環境や健康分野に関する製品を製造しているもの、環境や健康分野に関する事業を行う事業所との取引関係があるものなど12種類があげられています。自社が支給対象分野に該当するかどうかは、リーフレットを確認の上、最寄の都道府県労働局またはハローワークに確認するのがよいでしょう。


[支給対象事業主]
 支給対象事業主の要件としては、以下の3点とされています。
健康、環境分野および関連するものづくり分野の事業を行っていること
の事業に、申請前5年以内(職業訓練計画中を含む)に雇入れた、または異分野から配置転換した従業員を雇用していること
の労働者に対して職業訓練計画を作成し、労働局長の認定をうけること


 この奨励金制度は受給対象分野が限定されていますが、電気業や情報通信業、運輸業・郵便業そして医療・福祉など実際にはかなり幅広い業種が対象となっていますので、人材育成を行う際にうまく活用していきたいものです。なおこの奨励金は平成24年3月31日までの暫定措置となっておりますので、条件に合致する企業においては受給漏れの無いようご注意ください。


[リーフレット]
 この制度のリーフレットを以下でダウンロードできますので、是非ご利用ください。
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50967485.html



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参考リンク
厚生労働省「成長分野等人材育成支援事業奨励金のご案内」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/f-top-a.pdf


(中島敏雄)


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